Wednesday, 17 April 2024

高速鉄道、整備の機運 大統領、列車通勤で理解

2021年2月17日

バイデン大統領が就任したのをきっかけに、高速鉄道整備の機運が高まるとの見方が出ている。

バイデン氏は上院議員時代に往復約3時間かけて列車通勤し、脱炭素化での鉄道の重要性を訴えてきた。

2兆ドル (約210兆円) の巨額インフラ投資も掲げており、高速鉄道が有望との観測につながっているようだ。
 

東部デラウェア州が地元のバイデン氏は上院議員時代の36年間、ボストン-ワシントンを結ぶ全米鉄道旅客公社 (アムトラック) の高速列車「アセラ・エクスプレス」などで議会があるワシントンに通った。

鉄道への「貢献」が評価され、最寄りのウィルミントン駅は副大統領時代の2011年にバイデン氏のフルネームにちなんで「ジョセフ・バイデン・ジュニア鉄道駅」と命名された。
 

米高速鉄道協会 (USHSR) は、日本のJR東海が技術支援するテキサス州の新幹線建設計画など5つを優先事業と位置づけ、インフラ投資の対象として補助金の支出などに期待を込める。
 

テキサス州の計画は主要都市ダラス-ヒューストン間 (約385キロ) に路線を設け、2026年の運行開始が目標。

東海道新幹線で昨年7月に営業運転が始まったN700Sがベースの8両編成を導入し、1時間半弱で結ぶ。
 

だが、200億ドルの事業費を賄 (まかな) える目処は立っていない。

USHSRの優先事業全体の総事業費は1,725億ドルに上ると試算され、日本の政府筋は「バイデン氏ならば、手厚い補助金の適用を目指す可能性がある」と指摘。

バイデン氏も2月11日、中国の高速鉄道への投資を引き合いに出し「われわれが動かなければ打ち負かされる」と述べた。
 

ただ、「小さな政府」を志向する野党共和党には「旅客鉄道に連邦予算を充てるべきではない」との意見が根強い。

補助金支出が決まるかどうかは予断を許さない。


*イラストはイメージ