金 一東
日本クリニック・サンディエゴ院長 |
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違法ドラッグ ②
Illegal Drugs |
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前回に引き続き、違法ドラッグについて解説します。
前回も説明した通り、今回解説するモルヒネやオキシコドンも違法なドラッグではありませんが、違法に使われることがあるので、そういう意味で違法ドラッグの範疇に入れています。
◆ 麻薬(Narcotics)◆
麻薬はケシの実由来の物と、完全に化学的に合成された物に区別されます。
前者の例には、モルヒネ、コデイン、ヘロイン、オキシコドン、ハイドロコドンなどが、後者の例には、メペリディン、フェンタニル、メタドンなどがあります。
<ヘロイン> 麻薬の一種で、非常に依存性が高く、最も速効性のある麻薬です。ヘロインはケシの実に由来するモルヒネから生成されます。
<モルヒネ>
モルヒネは、ケシの実から採取した乳液状の物質を精製したアヘンの主要構成物質で、非常に依存性になりやすく、激しい痛みに効果があるので医療で使われています。因みに、ケシの実からはモルヒネ以外にも、コデイン、オキシコドン、ハイドロコドンなどが由来します。
<オキシコドン>
オキシコドンはケシの実の構成物質から合成された半合成薬で、麻薬中毒者が好んで使うドラッグです。
アセトアミノフェンと合剤になって鎮痛剤としてよく使用されます。
似た鎮痛剤にバイコデン (ヒドロコドンとアセトアミノフェンの合剤) があり、最近トヨタのアメリカ人役員がアメリカから日本に輸入し、麻薬法違反で逮捕されて話題になりました。
アメリカでは腰痛などでよく使用される薬ですが、依存性があり、高齢者の長期使用などで問題になっています。
◆ 幻覚剤 (Hallucinogens)◆
幻覚剤は植物やかび由来、あるいは合成されたもので、古くから使用されています。
幻覚を起こすキノコは中学生、高校生によく使用されています。
MDMAは錠剤、LSDは紙片状になっていることもあります。
<MDMA>
MDMAは中枢神経刺激作用と幻覚作用があります。
合成ドラッグで、パーティーでよく使われるのでパーティードラッグとも呼ばれています。
単独で使用されることもありますが、他のドラッグと一緒に使われることがよくあります。
<LSD>
LSDは非常に幻覚作用が強く、依存性が高いドラッグです。
1960年代のヒッピー全盛の頃に盛んに使われ、LSD使用による幻覚に影響を受けたサイケデリック・アートも生み出されました。
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(2015年8月1日号掲載) |