金 一東
日本クリニック・サンディエゴ院長 |
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違法ドラッグ ① Illegal Drugs |
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有名人が違法ドラッグに手を出して、事件を起こしたり、あるいは中毒になってマスコミに騒がれたりすることが多々ありますが、違法ドラッグは、有名人だけではなく、高校生、あるいは中小学生が手を出すほどに蔓延してきています。
アメリカでは、治療薬として使われているドラッグを違法または合法に手に入れて、中毒症になる人もいます。
マリワナから始まり、コカインやアンフェタミンなどに至るまでに、様々な合法、違法ドラッグの中毒になる人がアメリカでは後を絶ちません。
そうしたドラッグの中毒や使用は健康を害するだけでなく、犯罪や自殺など、社会にインパクトを与えることも少なくないので、ドラッグについての知識を持っておくことは、自分自身や家族を守るためにも大切です。
違法ドラッグあるいは中毒を起こすドラッグは、主にマリワナ、麻薬 (narcotics)、覚せい剤または中枢神経刺激薬 (Stimulants)、 幻覚剤 (Hallucinogens) などに区別されます。
この中で、モルヒネやアンフェタミンなどは治療薬として合法に処方されているので違法ドラッグではありませんが、対象になる疾患もないのに「違法」に使用されていることがあるので、ここではそういう意味で違法ドラッグに含めています。
米国司法省のDEA (麻薬取締局) の発行する資料に基づいて主要なドラッグを解説したいと思います。
マリワナ(Marijuana)
マリワナ (大麻) は1960年代のヒッピー文化と共に広く知られるようになり、若者を中心に様々な年齢層や社会的地位の人に使用されてきています。
今日では、医療用または個人使用がアメリカのいくつかの州で合法的に認められるようになりました。
マリワナは精神活性のある物質で、480種類以上の化学成分を含み、THCという物質が主要な成分と考えられています。
アメリカを含め広範囲の地域で栽培されています。
覚せい剤・中枢神経刺激薬(Stimulants)
合法的に製造され治療薬として使用されているものと、違法に製造・使用されているものとがあります。
医療用のものとしては、ADHDの治療薬であるアンフェタミン (Adderall、Dexedrine) やメチルフェニデート (Concerta, Ritalin)、肥満の治療に用いられるDidrexやBontril のような薬があります。
違法に製造・使用されているドラッグとしてはメタンフェタミン、コカインなどがあります。
コカイン(Cocaine)
コカインは覚せい剤の一つで、非常に強い依存性が形成されます。
コカインは元々ボリビア、ペルー、コロンビアで育つコカの葉由来のドラッグで、アメリカで出回っているコカインの約9割はコロンビアから違法に輸入されています。
(次号に続く) |
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(2015年7月1日号掲載) |