櫻井 真理 育英セミナー・サンディエゴ校室長 日本の某高校にて国語教諭として勤務。その後、育英セミナーの教育活動に賛同して転職。現在はサンディエゴ校室長として海外子女教育に力を注ぐ。 |
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夏休みこそ、新学期に備えよう(1) | |||
多くの現地校が6月中旬から9月初旬まで夏休みとなりますね。 小さいお子さんがいらっしゃるご家庭では、長期に日本に一時帰国をしたり体験入学をしたりすることによって、日本語力の増強や日本文化に触れる機会を設定するケースが多く、非常に有効な夏休みになっているようです。 しかし、小学校高学年以上のお子さんにとっては、夏休みだからこそ、9月からの現地校学習に備えて、普段できないような時間をかけた体系的な学習が重要ではないでしょうか?
Q. 現地校の記述式宿題の提出にとても苦戦しています。 夏の間にどんなことをしたらいいでしょうか?
A. 現地校の記述式宿題で意味の通じる正確な英語文章を書けるようになることが、アメリカで学ぶ子どもたちにとって一つの大きな壁になります。 お子さんが現地校に提出している宿題などが、単語の羅列で意味が全く伝わらない文章になっていたり、文法が正確でないため、言いたいこととは異なる文章になっていたりしませんか? たとえ文章自体は短く初歩的なレベルの語彙を利用していても、正確な英語文法に基づいた文章であれば、意図する内容が正しく相手に伝わり、それが現地校成績の向上につながります。 さらに、現地の英語と日本の文法を照らし合わせた勉強を増やしていくことも肝心です。 育英セミナーでは、現地の英語と日本の英語の違いや日本語の表現と英語の表現の仕方の違いなどを説明しながら、意味の通じる英作文が書けるようになるお手伝いをしています。
Q. 数学が得意なのですが、英語だとピンと来ないことがあります。 夏休みの間にどんなことをしたらいいでしょうか?
A. アメリカの現地校では、数学はたいてい前の学年の復習から入るので、すでに学習済みの部分は復習しておくといいでしょう。 数学でつまずく子の多くは、知識はあっても言葉が分からないことで理解できないことが多いようです。 Right triangleを正三角形だと思っている子はたくさんいますが、直角三角形ですね。 分数の読み方、桁数の多い数の読み方、数字 (偶数 even numbers、小数 decimal、最大公約数 the least common multiple=LCMなど) や図形 (台形 trapezoids、ひし形 rhombuses、対角線 diagonalsなど) など、今さら誰も教えてくれないような数学の基礎の内容を含めながら、予習復習をしてみませんか? 9月からアメリカの高校生となる皆さんは、自分の履修する数学はどのレベルかを把握していますか? もし、Geometry を履修するなら、図形の名称を英語で正しく覚えてスペリングも正確にできるようにし、図形の証明の基本までを夏の間に予習しておくと、9月からの数学授業がずいぶんと余裕を持って取り組めるようになります。 また、Algebra II を受講する皆さんは頂点が原点以外にある放物線の式やlogやSin Cos Tanの概念を、Pre-Calculusを受講する皆さんは三角関数や指数関数・対数関数などのさらに高度な数学の概念を予習しておくとよいでしょう。 1か月分の学習内容の予習ができていれば、数学の導入部分はずいぶんと楽になります。
Q. 9月から11年生になります。 この夏、大学受験のための準備をしようと思っていますが、何を中心に勉強したらいいですか?
A. 日本の大学へ行くのにも、アメリカの大学へ行くのにも SAT での高得点は欠かせません。 SATの勉強に取り組み始めるタイミングも大切ですので、いつまでに何点を取らなければいけないのかを考えた上で、余裕を持って勉強をスタートしましょう。 SATの得点を上げるためには、SATの特徴をよく理解して準備をすることが大切です。 例えば、比較、批評、分析で使われる文章構成や文法、頻出単語を学び、練習と復習をすることです。 また、SATの問題形式に慣れ、時間配分を工夫しながら、各セクション特有の問題を練習することで高得点につなげることができるようになります。 10月のSAT試験を目標に、夏からSATに向けての勉強に取り組みましょう。 併せて、6月11日から8月26日まで、夏期集中講座も行っています。 受験に向けての夏休みの過ごし方や現地校のクラスの取り方など、無料カウンセリングも随時行っていますので、 |
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(2012年6月16日号掲載) |