Q 私は永住権保持者です。
もう何年も前に、DUI (飲酒運転) で取り締まりを受けた経験が一度ありましたが、事故等はなかったので、飲酒運転防止クラス出席、罰金、奉仕作業などで済み、すっかり過去のこととなっていました。
ところが、どうしたことか最近、海外出張後、入国審査のたびに止められ、二次審査へ回され、大変な時間のロス及び心痛を経験しています。
永住権の維持には問題ないはずなのですが困っています。
仕事上、出張の機会が多く、このような状況は大変なストレスです。
どうしたらいいでしょうか。
A 入国審査は、移民局ではなく、国土安全保障省下にある税関国境保護局 (CBP)が管轄しています。
CBPには独自のデータベースにより、政府各局からの情報が随時追加されているばかりか、テロ対策の方針、情報などにも関与しています。
本来なら入国拒否になる状況でないにもかかわらず、止められ、長時間待たされ、質問され、結局、何もなく放免となるようであれば、① 過去の情報が更新されておらず、現在にも影響する情報という形で残っている、② 何らかの事情で要注意人物と混同されている、③ 単なる入力ミスを含んでデータに不具合がある、などの可能性が考えられます。
CBPでは、このような状況に対応するため、TRIP (旅行者救済問い合わせプログラム) という制度を設けています。
"CBP TRIP"で検索するとTRIP公式サイトが出てきます。
問題状況を当局に指摘し、訂正・更新してもらう手段ですが、基本的にインターネットでの申請を行うようになっています。
TRIPのサイトには、問題となる典型的な状況が約20項目リストされていますので、該当するもの、近いものを選び、続いて個人情報を入力してください。
その後はスクリーンの表示に従い、本人確認の書類、その他必要に応じて、関連する移民局書類等をスキャンしてメールできます。
申請後にケース番号が発行され、状況が内部調査されることになります。
例えば、質問者の状況では、パスポート、グリーンカードをスキャンし、ケース番号を記載したメールに添付して送信します。
Q 調査が行われた後、その詳細は教えてくれるのでしょうか。
Aセキュリティ上の理由で、なぜ当事者が繰り返し二次審査に呼ばれていたのか、必要以上の審査が行われたのか、どのような警告情報がデータベースに表示されていたのか、などは全く明らかにされません。
書類に不備があったり、必要なものが不足していれば、追加提出が必要になるかもしれませんが、面接や窓口出頭を求められるようなことは通常ありません。
また、原因が究明されたところで、どのような対策が取られたかも説明されません。
とはいえ、もし政府側のデータに誤りがあった場合には、訂正もしくは必要事項が追記され、不具合が生じないようにする対策が講じられるようです。
また、場合によっては、必ずしも本人に注意事項がなくても、問題のある人物と名前が一致していた、類似していた、取り違えられた、などの理由で問題が生じていた可能性もあります。
このような場合にも、データベースに必要な追記が行われて、他人と混同されないよう処置が取られるようです。
申請から約4か月後に調査終了通知が届き、具体的な内容は明らかにされないながらも、調査が行われたこと、処置が必要な場合は適宜対応されたこと、などが記載されます。
また、それ以後に旅行をする場合、航空券予約の際に TRIP のケース番号を含めるようアドバイスされます。
質問者の場合も、TRIPへの申請によって事態が解決すると思われます。
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