曽 碧光
米国中医薬研究所所長 1932年台湾に生まれる。東京大学農芸化学修士、米国カンサス大学微生物学修士、東京大学薬学博士、 元米国コネチカット大学病理学助教授、第1 回世界中西医結合大会審査委員、セント・エリザベス病院 (ボストン) 筋ジストロフィー主任研究員、ドライ・アイ眼科研究所生化学顧問、元米国漢方研究所所長、現米国中医薬研究所所長。 ご質問、ご連絡はこちらまで |
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便秘 | |||
Q : 50歳の女性で便秘に悩まされています。 果物や植物を粉末にしたファイバーがいいとテレビでよく宣伝されていますので、買って使用してみましたが、消化不良と胃腸内でアレルギー反応を起こし、お腹にガスが充満して気分がよくありません。 西洋薬下剤は長く常用していると、だんだん服用量を増やさないと効果がなくなるし、かえって便秘を強くするので、下剤使用を止めました。 また、下剤を止めた最大の原因は腎臓障害の副作用があるからです。 針灸の医師から漢方薬の大柴胡湯を処方されて服用したのですが、処方量が強すぎたのか下痢を起こしました。 「証」に合わなかったと針灸師は言っていますが、「実証」「中間証」「虚証」など「証」に関わりなく、誰でも使用できる便秘の漢方薬をお教え下さい。
A : 近年来、東洋人だけでなくアメリカ人も漢方薬に対する理解が深まり、漢方薬使用者も多くなりました。 しかし、アメリカ人にとって、便秘には三黄瀉心湯、潤腸湯、麻子仁湯、大柴胡湯などあって、いろいろ試して自分に合った漢方薬を選びなさいという理屈には納得できない、という批判をよく聞きます。 無論、東洋人の間でも「証」という面倒で理解し難い診断法を使うより、西洋医学による正確な診断で、治療は副作用の少ない漢方薬を使う人が多くなりました。 1976年に日本で漢方薬が正式に健康保険薬として使われ、大学病院でも漢方治療部が設けられるようになったのは、漢方医療が再確認されたといっても過言ではないでしょう。 このように誰にも使える副作用のない便秘の漢方薬を求める声が強い中で、ハリウッドにある漢方薬の店の主人が便秘に効く漢方薬を調合してくれないかと要求してきました。 俳優たちの要望があったからです。 これらの俳優たちも、ある漢方サプリメントで下痢を起こしたので、下痢を起こさない漢方薬が欲しいという特別な要望があったわけです。 このような要望によって創られたのが、「通快」という漢方薬でした。 従って、通快は誰にもよく効く便秘薬で、効果も速く、下痢を起こす副作用がないのが好評を博している理由です。 あまりに効果が良いので、日本の友人に送っている人も少なくありません。
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(2012年4月1日号掲載) |