Tuesday, 23 July 2024

便秘(2013.1.1)

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son_new8.jpg 曽 碧光

米国中医薬研究所所長

1932年台湾に生まれる。
東京大学農芸化学修士、米国カンサス大学微生物学修士、東京大学薬学博士、 元米国コネチカット大学病理学助教授、
第1 回世界中西医結合大会審査委員、セント・エリザベス病院 (ボストン) 筋ジストロフィー主任研究員、ドライ・アイ眼科研究所生化学顧問、元米国漢方研究所所長、現米国中医薬研究所所長。


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便秘

Q : 45歳の女性ですが、少々高血圧気味で、毎日高血圧の処方薬を服用しています。

最近よく便秘するので、顔にニキビのような吹出物が出て、大変悩んでいます。

果物や植物の繊維質を粉末にしたファイバーは便秘によいと言われましたので、買って使いましたが、消化不良と胃腸にアレルギー疾患が起こり、お腹にガスが充満して、却って便秘の症状が悪化する状態でした。

結局、医者に下剤を処方してもらって飲んでいます。

しかし、下剤を長く使っていると、却って便秘を強くしたり、副作用で腎臓を悪くすることがあると聞きましたので、副作用のない便秘の漢方に切り替えたいと思っています。

便秘によく効く漢方がありましたら、お教えください。


 

A :   便秘の漢方通快は、杏仁、枳実、黄連、甘草、麻子仁、厚朴、桃仁、芍薬、地黄、大黄、黄芩、当帰からなる12の生薬から構成されています。

その中の大黄、黄芩、黄連の3つの生薬は下剤として中国の漢時代から使われており、大黄に多く含まれている下剤効果のあるセノシド(sennosides)が、胃腸内のバクテリアで直接下剤効果を発揮するレエインアントローン(rheinanthrone)に変換することが最近の研究で分かりました(Biol. Pharm, Bull, 19, 705-709, 1996)。

しかし、大黄には腹痛を伴う下痢を起こす副作用があるので、漢方処方では大黄を使う時は、この副作用を取り除くことができる甘草という生薬を一緒に配合して服用することになっています。

これが漢方にはほとんど副作用がない結果をもたらすことになり、長い歳月に積み重ねられた経験と知識の結晶であると言えます。

この他に、通快には下剤効果に加えて、胃腸機能を促進増強する生薬がいろいろ配合されているので、腸の機能異常による過敏性腸症候群の症状にも使用できます。

通快を調合するきっかけになったのは、ハリウッド近くにある漢方の店主が「ハリウッドの俳優たちが副作用のない便秘の漢方を要求しているので、つくって欲しい」という要望があったからです。

無論、女優たちは便秘になると顔に吹出物が出るので美容に影響するからだと言っていましたが、俳優業は華やかさだけではなく、ストレスも大きく、便秘になりやすいようです。

通快はよく効くので、作家で評論家の大森実氏も便秘は血圧を上げるというので、よく愛用していました。

通快の一般の服用量は1回に2カプセル(1g)、1日3回服用するようになっていますが、人によっては2カプセルで便秘が解消されることが多いので、自分に合った服用量を基準にするとよいでしょう。

 

 
(2013年1月1日号掲載)

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