石和田 貴光
保険エージェント
兵庫県神戸市出身。大学卒業後、新聞社系出版社にて教育広報部、営業企画部を経て、2001年8月25日に渡米。2005年10月にイシワダ保険エージェンシーを設立。カリフォルニア全域をカバーし、医療保険、生命保険、各種年金プランやペンションプランを専門とする。医療保険最大手のAnthem Blue Cross社より、カリフォルニア州 Top 1%の業績が称えられ、Premier Partnerとなる。趣味はランニング、読書。
年金プランで賢く貯蓄 |
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アメリカの全体経済に感じる景気の流れは、株価が好調な上、住宅の売買も堅調な伸びを示しているなど、景気は良くなっていると感じます。 その一因として考えられるのは、昨年の12月20日にトランプ大統領による「減税法案の成立」が影響していると思います。 この大幅減税は、実に30年ぶりに行われた大改革です。 乗り物の話で例えれば、どんな車も自転車も、走らせていなければあちこちがさび付くのと同じで、「経済も常に回り続けなければ、あっという間に滞ってしまう習性がある」のです。 今回実施された減税案で一番恩恵を受ける対象が、法人 (企業)です。 連邦法人税率は、2018年から35%から21%に下げられましたので、国内外の資金還流の循環が良くなるはずです。 リーマンショック以降、10年以上も歴史的な低金利政策を行ってきたアメリカも、ここに来て利上げをせざるを得ない状況に直面しているのだと思います。
Traditional IRA で賢く貯蓄 確定申告 (Tax Return)を行うシーズンとなりました。 今年はいくら戻って来るかな? と楽しみにされている方も沢山おられると思います。 その逆で、Tax Return時に、納税をしなければならない方もおられるはずです。 お金が戻って来る人は、その分、支払うべき税金を納めてきただけのことです。 その逆で、余分に税金を支払わなければいけない人は、得た収入に対して納めるべき税金を支払ってこなかったという事になります。 収入に対して課税される税金のことを、Income Tax (所得税)と呼びます。この所得税の控除対象となる上に、老後(59歳と半年以降)に引き出すことが出来る年金プランをTraditional IRAと呼びます。 2017年度のTax Returnに向けた節税と貯蓄が可能となるTraditional IRAへの投資限度額は、5,500ドル(50歳まで)、または、6,500ドル(50歳以上)となっています。
個人事業主、経営者に向けた年金プラン ご自身で事業を経営されておられる方で年収も高い方の場合、上記の個人年金では控除額が少なすぎるという可能性があると思います。 そういった方に向けた節税と貯蓄に向けた年金プランの一つに「SEP-IRA (Simplified Employee Pension Plan」があります。 SEP-IRAを開設できる対象者とは、個人事業主(sole proprietorship)をはじめ、Partnership、Corporation、Nonprofit Organizationなど多岐に及びます。 拠出出来る金額は、年収の25%までで、具体的には2017年度分として拠出出来る金額は最高54,000ドルまでと定められています。 有名な企業年金プランの一つ「401k」は毎年拠出しなければいけませんが、SEP-IRAの場合は、毎年拠出し続ける必要が無いため、収入が変動する可能性が高い事業主に適しています。
※個人年金も、事業主向け年金も、「年金」と名が付く以上、あくまで「老後に向けた貯蓄」として税控除が認められるプランとなります。 よって、59歳と半年までの早期引き出しに対しては、ペナルティや課税対象となりますので、十分注意が必要です。 |
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(2018年2月16日号掲載) | |||