Thursday, 25 April 2024

オバマケア見直しの行方(2017.8.16)

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ishiwada new face石和田 貴光

保険エージェント

兵庫県神戸市出身。大学卒業後、新聞社系出版社にて教育広報部、営業企画部を経て、2001年8月25日に渡米。2005年10月にイシワダ保険エージェンシーを設立。カリフォルニア全域をカバーし、医療保険、生命保険、各種年金プランやペンションプランを専門とする。医療保険最大手のAnthem Blue Cross社より、カリフォルニア州 Top 1%の業績が称えられ、Premier Partnerとなる。趣味はランニング、読書。



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オバマケア見直しの行方

       

トランプ大統領が掲げる公約の一つでもある「オバマケアの廃止案」は、数か月おきに話題にあがりますが、具体策は何も決定していません。

何故、オバマケアが大多数の方々に受け入れられていないのかを一言で表すならば、「アメリカ経済を実質的に支えている中間層の保険料が、安くなるどころか、以前よりも高騰したから」です。

確かに、2014年以降から施行された医療改革法案の影響で、多くの方々が救われた点も多々あります。

例えば、医療保険への加入が義務化された事によって、「医療費が原因の自己破産数が大幅に激減した点」や、過去の病歴や通院履歴が考慮されなくなりましたので、「誰でも医療保険に加入出来るようになった点」(加入申請時に却下されなくなった)です。

大多数の中間層が多くの犠牲を背負う反面、①富裕層は高い保険料を計上できるため、今まで通り節税のメリットが残り、②貧困層ほど保険料が安くなった訳です。

その結果、実質経済に与えた国民への影響は、「プラスの面」よりも、「マイナスの面」が大きかったと感じざるを得ない結果を招いたのです。

 

 

医療保険業法最新ニュース

今回は、2017年7月1日よりカリフォルニア州で実施される最新の医療業法について情報提供を致します。

「California Assembly Bill (AB) 72 Out-of-Network Coverage and Member Cost-Sharing」(カリフォルニア州対象:2017年7月1日から施行)

以前より、患者が加入している医療保険を受け入れる 「In-network facilityの病院やクリニック」に行かれたにもかかわらず、その病院が委託する外部の医師(Physician)や、Lab(精密検査などを行う医療機関)などがOut-of-networkである場合、Out-of-network のレートで医療請求書が届くという問題が勃発しておりました。

このような問題を回避するために、AB72の法案が施行される運びとなりました。

仮に、医療サービスを通じて、患者の所持する医療保険が定める自己負担額以上の金額が請求された場合、請求元の医療機関は「30日以内に返金を行う義務」があるとされています。

例えば、下記の事例を参考になさって下さい。

どんな医療保険にも、Annual out-of-pocket maximum (医療費に対する年間における上限額) のルールが組み込まれています。

お持ちの医療保険のAnnual out-of-pocket maximumが「6,250ドル」の場合、仮に10万ドル以上の高額な治療を受けた場合でも、「6,250ドル以上は全て医療保険が費用をカバーする」という事です。

 

 

注意すべき点

どんな時でも、通われる医療機関(医師や病院、クリニック)が、ご自身が加入している医療保険のIn-networkに加盟しているかどうかを慎重に確認して下さい。

 

▶自分が加入している医療保険を受け入れる医師や病院の検索・確認の方法

1. 加入されている医療保険を提供する「保険会社のホームページにて検索する方法」。

2. 保険代理店を通じて医療保険に加入されている場合、「加入申請をサポートされた保険エージェントに調べてもらう方法」。

3. 加入されている保険のIDカードに記載されている「Customer Serviceの電話番号に連絡する方法」。(E-mail、FAXなどにて対応してもらえます。)

 

今後も引き続き、皆様に有益な情報提供が出来るよう、保険業法の移り変わりを始め、業界の動きを注意深く見つめていきたいと思います。

(2017年8月16日号掲載)