2022年4月7日
パドレスのダルビッシュ有投手は上々の投球で大リーグ11年目を力強く踏み出した。
開幕戦となった敵地でのダイヤモンドバックス戦に先発登板し、速球で押して6回を投げ、得点もヒットも許さなかった。
救援陣が崩れて2-4xでサヨナラ負けしたものの、先発マウンドの責任は完璧に果たした。
92球のうち速球系が半数近く。
普段は変化球主体だが「向こうも頭に入っているだろうし、残像も残っていると思ったので、真っすぐをどんどん投げた」と、目先を変える狙いが奏功した。
これまでバッテリーを組んだビクター・カラティニがトレードされ、初めて公式戦でコンビを組んだ捕手のオースティン・ノラも積極的に速球を要求した。
制球が少し乱れて4四球を許し、奪三振は3と少なかったが、球威は十分だった。
ノーヒットは4回あたりから自覚していた。
大記録達成への欲が出そうなものだが「開幕から120、130球と投げるわけじゃない。
絶対 (続投は) ないと分かっていた」とさばさばしたもの。
シーズンはまだまだこれから、と言わんばかりだった。
一方で、昨季まで阪神で救援投手を務めたロベルト・スアレスが、ダルビッシュの初勝利を消してしまった。
2点リードの9回に投入されたが、連続四球と死球で無死満塁とされて降板。
ピンチでバトンを受けたクレイグ・スタメンが暴投の後に3ラン本塁打を浴び、悪夢の逆転サヨナラ負けとなった。
阪神時代は圧倒的な安定感を誇り、昨季セ・リーグ最高の42セーブを挙げた速球派のスアレス。
だが、開幕戦の接戦での大リーグ初登板はさすがに荷が重かったようで「焦ってしまったかもしれない」とうなだれた。
ボブ・メルビン監督も「初登板の投手には何が起こるか分からないもの」と後味が悪そうだった。
(2022年4月16日号掲載)