対中国シフト加速、強襲揚陸艦導入検討
小野寺防衛相、サンディエゴ米海軍基地を視察
2014年7月8日
日本政府は7月8日、サンディエゴを訪問中の小野寺五典防衛相 (*写真右端) による米海軍の強襲揚陸艦 (きょうしゅうようりくかん) 視察を踏まえ、離島奪還作戦に投入できる同タイプの新型艦艇導入に向けた検討を本格化させた。
沖縄県・尖閣諸島周辺で領海侵入を繰り返す中国をにらみ、南西諸島の防衛力増強を柱とした「対中国シフト」を加速させる。
強襲揚陸艦は沖合からの上陸作戦に投入する艦艇。
ヘリコプターや上陸用舟艇などを輸送し、港湾施設がない場所で部隊を機動的に展開する能力を備える。
小野寺氏は強襲揚陸艦「マキン ・アイランド」 を視察後、記者団に「多用途の輸送艦は、災害にしっかり対応するためにも大変有意義な装備だ」 と高い関心を示した。
防衛省は新型艦艇の導入検討と並行し、2018年度までに新設する「水陸機動団」の編成を進める方針。
離島上陸から奪還までを担う陸上自衛隊部隊で、新型艦艇による輸送を念頭に置く。
新型艦艇には、2015年度の自衛隊導入を目指す米軍輸送機オスプレイや、2018年度までに52両を調達する水陸両用車の搭載も想定している。
防衛省幹部は「新型艦艇の配備で部隊、輸送機、水陸両用車を一度に運べるようになれば、作戦への対処能力は大きく向上する」と指摘している。
(2014年8月1日掲載)