覚せい剤所持の事実なし、市販薬を誤認
メキシコ市の国際空港で拘束された2邦人
2014年7月14日
メキシコ連邦警察が今年2月、メキシコ市の国際空港で覚せい剤とみられる薬物を所持していたとして2人の日本人男性を拘束した問題で、2人が持っていたのは覚せい剤ではなく、覚せい剤の原料となり得る物質を含有する日本の市販薬だったことが7月13日までに分かった。
日本政府筋などが明らかにした。
メキシコ治安当局の発表などによると、2人はサクライ・イッペイさんとミナミ・ユウイチロウさん (漢字不明)。
メキシコ連邦警察の調べで、いずれも覚せい剤を所持していた事実はなかったことが最終的に確認され、2人とも日本に帰国した。
メキシコ治安当局は2月末、麻薬探知犬が空港の待合室で2人の荷物に反応したと発表。
地元メディアは2人の所持品から、プラスチックの容器に入れた覚せい剤のメタンフェタミンとみられる錠剤220錠が見つかったと報じた。
しかし、日本政府筋などによると、これらの錠剤は旅行用の常備薬として携行していた日本の市販薬だった。
市販薬の一部には、濃度を高めればメタンフェタミンの原料となり得る物質が含まれていた。
麻薬犯罪が大きな社会問題となっているメキシコでは、この物質について日本より厳しい規制を科しているため2人は拘束されたが、後に嫌疑が晴れて釈放された。
(2014年8月1日掲載)