Wednesday, 01 May 2024

西海岸の港湾で物流停滞の影響広がる

西海岸の港湾で物流停滞の影響広がる

海運会社の労使交渉難航、コンテナ山積み

2014年12月4日


megaport海運会社と労働者の間で6年に1回行われる労使交渉が難航しており、ロサンゼルス、サンディエゴ、シアトルなど、米西海岸の港湾で物流が停滞している。

日本の外食大手によるフライドポテトの調達に支障が出るなど影響は各方面に広がっている。

ワシントン州パスコのポテト輸出会社を経営する男性は米紙に対し、11月上旬の時点で、コンテナ42個分のポテトをアジアや中南米に船で送るはずだったが、6個分しか送れていないと嘆いた。

西海岸の港湾では、多くのコンテナが輸送されないまま山積みされ、コンテナの中の食品は腐るままになっている。

5月に始まった労使交渉では、海運会社などで構成する太平洋海事協会 (PMA) と港湾労働者で構成される国際港湾倉庫労組 (ILWU) が対立。

PMA は ILWU が恣 (し) 意的に港の作業を遅らせていると非難、ILWUは作業の遅れはコンテナを運ぶための車台などが不足しているためと主張している。

西海岸の港湾施設は米国の貿易の2/3を担う大拠点だ。

2002年にも PMA と ILWU の労使交渉がこじれ、港湾施設が閉鎖するなど経済が混乱に陥った。

今回も閉鎖に追い込まれた場合、経済的損失は1日20億ドル (約2400億円) に上るとされる。


(2014年12月16日号掲載)