Friday, 13 June 2025

日本国際賞 (Japan Prize) 授賞式開催

日本国際賞 (Japan Prize) 授賞式開催

T・フリードマン UCSD医学部教授ら3人

2015年4月23日


japan prize科学技術の進歩に寄与した研究者を讃える日本国際賞の授賞式が4月23日、東京国際フォーラムで開かれ、細胞に遺伝子を導入する遺伝子治療の基礎的研究を進めたカリフォルニア大サンディエゴ校 (UCSD) のセオドア・フリードマン医学部小児科教授 (79) ら3氏に賞が贈られた。

他の2人は、治水政策の見直しを提唱して水害の軽減に貢献した高橋裕・東京大名誉教授 (88)、患者への遺伝子治療で効果を確認したフランス高等教育機関コレージュ・ド・フランスのアラン・フィッシャー教授 (65)。

式には天皇、皇后両陛下が出席された。

遺伝子治療の概念を先駆けて提唱し、造血幹細胞遺伝子治療の基本となる動物実験で有効性を実証するなど、開発研究を通して今日の遺伝子治療の実現へ道を開いた第一人者。

同博士が1972年に発表した遺伝子治療のコンセプトと研究の進め方に関する論文が原点となった。

その後、1999 年にアラン・フィッシャー博士が造血幹細胞遺伝子治療を患者に実施し、劇的な効果を得て遺伝子治療の有用性を実証することに成功した。

フリードマン博士が描いた遺伝子治療の夢、そしてフィッシャー博士による実証研究の成果が現在の遺伝子治療を切り拓いたとして、両博士への授賞となった。


(2015年5月16日号掲載)