「SoccerCity」 「SDSU West」 両プロジェクト、住民投票へ
元チャージャーズのホームスタジアム改造案、2論立て
2018年7月20日
プロフットボールのNFLチーム、チャージャーズのホームグラウンドとして半世紀以上にわたり使用されてきた旧クアルコム・スタジアム (現サンディエゴ・カウンティ・クレジット・ユニオン・スタジアム = 今年12月末日までの命名権期限)。
このほど、2種類のスタジアム改造案を問う住民投票が11月6日の中間選挙と同時に実施されることが決まった。
昨年1月にチャージャーズのロサンゼルス移転が決定し、以来、同スタジアムの将来への展望が論じられてきた。
1つは地元の投資グループが推進している「サッカーシティ」プロジェクト。
プロサッカー MLSチームをサンディエゴに創設/誘致し、23,500人収容のサッカー競技用スタジアムを新設するというもの。
新スタジアムはサンディエゴ州立大学 (SDSU) のフットボールチーム (アズテックス) も使用できるとしている。
スタジアム付設駐車場に加え、隣接地区での一般住宅、学生用/低所得者用住宅、商業用スペース、ホテルなどの建設、サンディエゴ・リバー付近での公園整備も並行して進めるという。
もう1つの 「SDSU ウエスト」 プロジェクトは、第一義的にサンディエゴ州立大学のフットボール競技場として35,000人収容可能なスタジアムに改造し、NFL新チーム用のホームグラウンドにも適用可能というもの。
スタジアム周辺の住宅、商業用スペース、ホテル、公園などの建設計画も含まれている点では 「サッカーシティ」 プロジェクトと似た内容となっている。
「サッカーシティ」 側は「SDSU ウエスト」 との両案提起について、有権者の判断に混乱を招くとして、対案の住民投票からの撤回を求める訴訟を起こしたが、7月18日に州控訴裁がこれを却下している。
また、サンディエゴ市のマラ・エリオット市法務官は、両プロジェクトが市有地利用、財政管理、計画立案、公的契約など、自治体が有する権限を著しく侵害しているとして異議申し立てをしたが、郡上級裁は7月13日、両プロジェクトの住民投票提起に違法性はなく、市側の主張はむしろ有権者の投票権を制限するとして、これを退けた。
一方で、提案可決後にサンディエゴ市側が提訴できる余地を残す判断も示している。
「サッカーシティ」はサンディエゴのMLSチーム創設の実現性に自信を深めている。
現在、MLSには米国とカナダの23チームが参加している (来季よりシンシナティ、マイアミ、ナッシュビルの3チームが加入予定)。
MLSは2020年までにさらに2チーム増を計画中。
サンディエゴはサッカー人気の高いメキシコと国境を接し、隣国のファンも呼び込める “地の利” があり、MLS チームの誘致都市の中でも最右翼と評価が高い。
(2018年8月1日号掲載)