2018年のSD郡/SD市殺人事件統計発表
全米10大都市の中で「治安の良さ」No.1
2019年3月20日
地元の公的調査機関 SANDAG、カリフォルニア州司法局、SDPD (サンディエゴ市警) などがまとめた最新統計により、2018年にサンディエゴ郡/サンディエゴ市で発生した殺人事件の詳細が明らかになった。
昨年、サンディエゴ郡内で起きた殺人事件は86件を数え、前年の76件から13%増加した。
犠牲者の半数以上となる49人が銃弾で命を落としている。
以下、刺殺17人、鈍器 (凶器となる物体) による殺害14人、車両による殺害1、手段不明5。
全殺人事件のうち、銃と刃物による犯行が77%に及び、全体の4分の3を占めた。
また、殺人事件に発展した原因の内訳は、口論から暴力へ展開したケース26件 (30%)、家庭内暴力10件 (12%)、家族同士の揉めごと8件 (9%)、無理心中7件 (8%)、ギャングの襲撃4件 (5%)、強盗4件 (5%)、児童虐待1件 (1%) となっている。
正当防衛と警察による容疑者射殺は殺人とはみなされず、統計には含まれていない。
サンディエゴ郡における殺人件数が前年 (2017年) 比で13%アップしたとはいえ、86件という数字は1990年代初期の年平均138件と比較すると大幅に減少している。
昨年のサンディエゴ市内の殺人件数は35件で、住民10万人当たり2.5件の低い殺人被害度を維持している。
100万人以上の人口を持つ全米10大都市の中で殺人被害度が最少だったのはサンディエゴだった。
以下は10大都市の安全度ランキング。
カッコ内は人口/殺人件数/10万人当たりの被害度と続く ——
① サンディエゴ (1,419,516 / 35 / 2.5)
② サンノゼ (1,035,317 / 28 / 2.7)
③ ニューヨーク (8,622,698 / 295 / 3.4)
④ ロサンゼルス (3,999,75 / 259 / 6.5)
⑤ サンアントニオ (1,511,946 / 107 / 7.1)
⑥ フェニックス (1,626,078 / 137 / 8.4)
⑦ ダラス (1,341,075 / 157 / 11.7)
⑧ ヒューストン (2,312,717 / 279 / 12.1)
⑨ シカゴ (2,716,450 / 561 / 20.7)
⑩ フィラデルフィア (1,580,863 / 351 / 22.2)。
*各都市の人口は米国国勢調査局2017年統計。
昨年、ニューヨーク市では295件の殺人事件があった。
「危険な街」のイメージが強い大都会だが、ここ数年は治安改善に向かいつつある。
NYPD (NY市警) は、2018年の同市の殺人事件数が300件を割ったのは2年連続で、1950年代前半以来の低水準だったと発表。
デブラシオ市長は 「最悪水準だった1990年より87%減少した」 と胸を張る。
殺人事件の減少についてNY市長は、警察が地域住民との協力を強め、信頼関係を築く 「地域警察活動」 を2015年に導入したことが奏功したとして、NY市警の活動を評価した。
(2019年4月1日号掲載)