子ども900人を分離拘束、中止せず
ACLU、SD連邦地裁に申し立て
2019年8月1日
トランプ政権が中止を表明した不法移民親子の分離拘束を実際には継続し、900人以上の子どもが親や保護者と離れ離れになっていることが7月30日に分かった。
人権団体の全米市民自由連合 (ACLU) が明らかにし、直ちにやめさせるようサンディエゴの連邦地裁に申し立てた。
トランプ政権は昨年春、不法移民への不寛容政策の一環として親子を別々に拘束する措置を実施。
国内外の強い批判を受け、トランプ大統領が昨年6月の大統領令で撤回を命じたが「見せかけだ」との見方が根強かった。
同連邦地裁は昨年6月、トランプ政権に全ての親子を再会させるよう命じ、進捗状況を調べるため審理を継続中。
ACLU側は「政権が軽微な交通違反のように裁判所の命令をないがしろにすることを許してはいけない」と批判した。
また、ACLUは先月、中米諸国からの移民流入を阻止するため難民申請の要件を厳格化すると発表したトランプ政権に対し、国際法や米国の法律違反として撤回を求める訴えを起こした。
サンフランシスコの連邦地裁はACLUを含む人権団体の主張を認め、一時差し止めを命じる仮処分を出している。
(2019年8月16日号掲載)