壁建設転用で肩代わり懸念

壁建設転用で肩代わり懸念

米国防予算、日本は警戒

2019年9月15日

米メディアによると、トランプ政権は国防総省の予算を転用するなどし、約3,200キロのメキシコとの国境で約800キロのフェンスを2020年末までに新設すると発表した。

アリゾナ州ユマ近くではフェンスの取り換え工事が始まった。

トランプ大統領には来年の大統領選に向け、重要公約として掲げる「国境の壁」建設の実績をアピールする狙いがある。

だが、民主党は予算転用に強く反発しており、今後予算をめぐる対立激化は必至だ。

国境の壁への国防予算転用をめぐっては、最高裁が7月末に認める判断を下した。

報道によると、国防総省は国内外で計画していた施設維持などの事業を中止し、約36億ドル (約3900億円) の転用を決めた。

トランプ政権がメキシコ国境の壁建設に国防予算を転用することに伴い、米側が日本など同盟国に対し駐留米軍関連施設の整備費の肩代わりを求めるのではないかとの警戒感が広がっている。

グアムの米軍施設の建設費用も転用対象で、在沖縄海兵隊の移転への影響を懸念する見方もある。

転用費用のうち半分の約18億ドルは海外の米軍関連費用で、在日米軍基地5か所の予算約4億ドルも含まれていた。

予算が転用される事業は横田基地 (東京都) の輸送機格納庫建設、嘉手納基地 (沖縄県) の施設整備、岩国基地 (山口県) の給油施設、横須賀基地 (神奈川県) とキャンプ・マクトリアス (沖縄県) の学校施設など。

これらの事業は中止ではなく延期と説明しており、日本政府関係者は「来年度の米国防予算で補塡される」との見方を示している。

ただ、トランプ大統領は以前より同盟国の負担増を要求しており、国防総省高官も「同盟・友好国と協力し、米側の費用負担を改善する」と述べ、転用された費用の一部を各国に肩代わりさせる可能性も示唆した。

転用される予算には、グアムの米軍基地の実弾射撃場建設費用なども含まれており、在沖縄海兵隊移転への影響も注目されている。


(2019年10月1日号掲載)