2021年9月15日
バイデン大統領は9月13日、大規模な山火事が多発しているカリフォルニア州を訪問した。
上空から被害状況を視察したバイデン氏は、サクラメント郊外で「気候変動によって山火事が勢いを増している現実を無視することはできない」と述べ、対策強化の必要性を訴えるなど、強い危機感を示した。
米メディアが伝えた。
カリフォルニア州当局は、春夏の気温上昇や積雪量の減少などで乾期がより長く、厳しいものになり、山火事のシーズンも年々長期化していると説明。
従来、6~11月とされる山火事シーズンは、山間部において2か月半ほど長くなったと推定している。
州北部で発生した大規模で破壊的な山火事の原因は極度の旱魃 (かんばつ) と記録的な猛暑。
この秋には、南部の乾燥した広範な地域で同様の被害を引き起こす可能性が高い。
サンディエゴ市では2011~20年が観測史上「最も暑かった10年」となった。
米国立気象局 (NOAA) によると、特に2014年は記録的な高温となり、年間平均気温は華氏67.6度 (摂氏19.8度) だった。
これは、気象観測が開始された1876年まで遡 (さかのぼ) る平均値よりも5度近く高い。
サンディエゴ郡では、高解像度の火災監視用ウェブカメラ・ネットワークをはじめ、SDガス&エレクトリック社が郡内で運営している220の気象観測所や、峡谷での火災を検知する米国立気象局 (NOAA) の人工衛星などをフル稼働し、山火事被害の拡大防止に努めている。
NOAAの気象予報士アレックス・ターディ氏は「極端な異常気象は止められないが、これらの技術によって、山火事の脅威の一部を減らすことができる」と語り、関連技術の膨大なシステムのさらなる拡張と改良を進めていくという。
(2021年10月1日号掲載)