Thursday, 21 November 2024

カリフォルニア州、2月末に非常事態宣言終了へ 新型コロナウイルス、人口の10%が感染継続か

2022年10月18日

カリフォルニア州のギャビンニューサム知事は10月17日、新型コロナウイルスの感染拡大を受けた非常事態宣言の適用を約3年間となる来年2月末で終了すると発表した。

ワクチンの普及などを背景に、死者数や入院者数は以前と比べ大きく減少しており、新型コロナへの対応を今後も継続するための態勢は整っているとしている。

ニューサム知事は2020年3月に非常事態を宣言していた。


ニューヨーク・タイムズ紙によると、新型コロナによるカリフォルニア州の死者数約96,000人で州別では全米最多

一方、州当局は、死亡率大規模な州の中で最も低く「州による新型コロナ対策は何万人もの命を救った」と強調した。


米国では新型コロナ対策の緩和が進んでおり、バイデン大統領も9月中旬、テレビのインタビューで「パンデミックは終わった」との認識を示した。


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新型コロナウイルス感染症が現在の世界的な大流行「パンデミック」から、地域内で流行を繰り返す「エンデミック」と呼ばれる状態に移行しても、数年間は人口の10%程度が常に感染している状態が続くとの試算結果を京都大の西浦博教授チームが8月に発表している。


見込まれる感染規模は季節性インフルエンザの約10倍

「普通の感染症」と見なされるようになった後も、数万人単位の感染者が出る恐れがある。

西浦教授は「エンデミック期でも医療逼迫 (ひっぱく) が続くことが十分に想定される。

新たなワクチン開発を含めた計画的な対応が必要だ」と訴えている。


チームは流行状況を計算する数理モデルに基づいて検討。

今後も新たな変異株が出続ける一方で、ワクチンや自然感染による免疫は一定期間でなくなると仮定。

大流行が収まった後、成人のほぼ全てが一度は感染する過程を経て、安定状態になった場合を試算した。


その結果、エンデミック期でも人口の数%~10%が常に感染している状態となった。

感染が続く期間や、実際に報告される割合を考慮すると、1日当たりの感染者数は少なくとも5万~10万人に相当。

多い場合はインフルエンザの10倍に達する規模だとしている。


感染状況を示す言葉としては、地域やその周辺で通常のレベルを超えて流行が拡大している「エピデミック」という状態がある。


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この冬は新型コロナウイルスインフルエンザ同時流行への懸念もある。


新型コロナの流行が始まって以降、インフルエンザは世界的に低水準だったが、今年は6~7月頃に南半球で流行があったことから、世界各国が冬場の拡大に危機感を強めている。


発熱した場合に、原因ウイルスが新型コロナかインフルエンザか分かりにくいことから、適切な検査や受診の仕方への考慮が求められている。


米疾病予防管理センター (CDC) は、重症化リスクが低い人は新型コロナの検査キットによる自己検査を行い、陰性だった場合は、オンライン診療やプライマリーケア医師 (PCP) の指示を受けるよう提言。

オンライン診療でインフルエンザと診断された場合には、タミフル (経口オセルタミビル)、リレンザ (吸入ザナミビル) などの抗インフルエンザ薬を処方してもらうことも推奨している。

また、新型コロナの抗原検査キット解熱剤をあらかじめ家庭で保管しておくことも対策となる。


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サンディエゴ郡保健福祉課は、2つの高校で呼吸器症状およびインフルエンザと思われる症状の大規模な発生の報告を受け、調査を開始した。


地元メディアによると、10月13日の時点で、パトリックヘンリー高校 (SD市サンカルロス地区) では2,600人の生徒のうち、今週1,100人が欠席し、デルノルテ高校 (SD市カーメルマウンテン地区) では2,517人の生徒のうち、今週884人の欠席が報告された。


SD郡当局は、検査結果がまだ出ていないため、発生原因を知るのは時期尚早だとしている。


郡公衆衛生担当官のウィルマ・J・ウータン医学博士は「(その2校は非常に地理的に分離されていて) 両校が集中的に影響を受けている理由は不明。ただ、季節が移り、インフルエンザの流行期に入りつつあるのは事実であり、感染性呼吸器疾患が増加するのは一般的な現象」とコメントしている。


郡当局の発表によると、10月13日までに入院の報告はないものの、インフルエンザや呼吸器系シンシチアルウイルス (RSウイルス) による救急外来の受診が増加していることを指摘し、調査することを明らかにした。


SD郡では、10月第2週に検査で確認されたインフル患者は計304人で、7月3日を起点とする今シーズンの累計は1,082人となった。

昨年同時期の統計では、報告されたインフル患者はわずか200人だった。


郡当局は「インフルエンザ様の症状が多く出たパトリックヘンリー高とデルノルテ高の数字に基づいて、他校の現象と比較し、急激に両校が影響を受けた原因を解明したい」と表明。

さらに「残念ながら、過去2シーズンと比較すると (今シーズンは) インフルエンザの猛威が十分に予想され、新型コロナウイルスと並んで他の呼吸器系ウイルスも強力に活動する兆候がある」と警戒を強めている。


ウータン博士は「秋と冬に向けて入院や死亡の危険性を大幅に減らすために、Covid-19とインフルワクチンの同時期接種を済ませる “先手準備” こそが自身を保護する最善策」と強調する。



(2022年11月1日号掲載)