Saturday, 07 September 2024

FDA、オミクロン派生型ワクチン開発を勧告 SD郡の入院者数、独立記念日前に300件超

2022年7月7日

米食品医薬品局 (FDA) は7月1日までに、今年秋の新型コロナウイルスワクチン追加接種に向け、増加中のオミクロン株派生型「BA.4」と「BA.5」に対応したワクチンを開発するようメーカーに勧告した。


米疾病対策センター (CDC) によると、5月頃からBA.4とBA.5が目立ち始め、6月25日までの1週間に検出されたウイルスに占める割合は合わせて推計52%になった。


最近になって新型コロナウイルス感染者の増加要因とされるのが、ワクチンの効果の減少と、免疫をすり抜ける性質を持つとみられるオミクロン株派生型BA.5への置き換わりだ。

BA.5は南アフリカで見つかった。

日本の国立感染症研究所や欧米当局などによると、現在は欧州で広まっており、ポルトガルでは既に主流。

米国でも拡大している。


BA.5は感染の広まりやすさが、これまで主流だったBA.2を約35%上回るとの英保健当局の6月時点の試算もある。

京都大の西浦博教授は「置き換わりが進むにつれ、感染者増加に加速化がみられる」と現状を分析する。

ワクチン接種から時間が経過し、感染予防効果が下がることも関係しているとみられる。


オミクロン株に対応するワクチンはモデルナとファイザーが開発を進めている。

ただ、既に流行の主流ではなくなったBA.1という古い型を基にしており、実際にどこまで効果を示すのかは分かっていない


FDAは追加接種で、新型コロナ流行初期のウイルスに対応した現行のワクチンとオミクロン株の派生型に対応したワクチンを混ぜたものを使うことを想定。

10月接種開始を目指す。


初めて接種を受ける人には現行のワクチンを使う。

新開発のワクチンを使う利点について判断するデータに乏しく、現行のワクチンでも重症化を抑えられるためと説明している。


米国では生後6か月以上が接種対象で、5歳以上は追加接種も進む。

FDAは屋内で過ごす時間が長くなる冬に再び感染の波が到来するとみている。


FDAによると、米国内の新規感染者は1日11万人ほどで横ばい状態が続いている。

だが、冬には屋内での活動が増え、これまでの感染やワクチン接種で得た免疫も衰えるため、新たな波が到来する懸念があるとした。


カリフォルニア州の最新データによると、サンディエゴ郡でコロナウイルス感染による入院者数は独立記念日前に300人を超えた

7月2日の時点で入院している308人のうち、集中治療室 (ICU) で治療を受けているのは34人で、前日より1人減少。

また、入院可能なベッド数は15床少なく、合計224床となった。


サンディエゴ郡保健福祉課は、5~17歳の接種率が成人と比較して伸び悩んでいることから、子供に積極的に予防接種を受けさせるよう、保護者へ強く呼びかけている。


保健福祉省 (HHSA) の最新データによると、Covid-19ワクチンの接種対象者全体ではSD市民の83.8%が一次ワクチンを完了。

年齢別でみると12~17歳の239,401人のうち、76%に当たる182,035人が済ませており、5~11歳の310,643人のうち36.9%に当たる114,748人が接種している。

生後6か月~4歳の207,723人のうち、部分接種を受けているのは3,323人で1.6%に過ぎない。

幼児のワクチン接種は推奨されたばかりだが、今後の接種率も横ばい、または低下傾向が予想されるという。


ブースター接種率はさらに低い。

12~17歳は合計161,561人がブースターを受ける資格があるが、64,147人、39.7%しか受けていない。

5~11歳は84,970人が対象だが、10,365人、12.2%だけ。

SD市民の有資格者2,394,907人のうち57.3%がブースターを済ませている。

生後6か月~4歳にはまだブースターが推奨されていない。


HHSAは7月1日、Covid-19の新規感染者2,048人とコロナウイルス関連の死者5人を追加報告した。

郡内の累積感染者数は834,049人死亡者数は5,341人に上っている。


SD郡の12歳以上の住民10万人当たりの感染者は、ワクチン完全接種者+ブースター接種者42.01完全接種者25.06部分接種者では88.53となっている。


SD郡は月曜と木曜のみCovid-19データを報告している。

(2022年7月16日号掲載)