父が米軍人、補償の対象外、日米地位協定、明文化せず
性的暴行受けた日本人女性、SDでの軍法会議前に容疑取り下げ
2019年12月15日
© Hamadan Yoshida / shutterstock.com |
米海軍横須賀基地 (神奈川県横須賀市/*写真右) で2015年に米兵から性的暴行を受けたとして、日本人女性が米軍当局に被害を訴えたが、軍法会議前に容疑が取り下げられた上、女性の父親が米軍人との理由で、日米地位協定に基づく米国からの民事補償金の対象外とされたことが12月14日、在日米軍司令部や弁護士への取材で分かった。
米側に、米軍人の家族は補償対象にならないとの規定があるという。
弁護士は「地位協定に明文化されておらず、日本で一般に公開されていない規定により補償がないのは受け入れがたい」と述べた。
在日米海軍司令部によると、2016年に神奈川県内の20代女性から通報を受けて海軍当局が捜査。
サンディエゴで2018年9月6日に軍法会議が開かれたが、性的暴行容疑は公判前合意で取り下げられており、米兵は違法薬物使用と傷害の罪を認め、禁錮や降格などの有罪判決が言い渡された。
性的暴行容疑を取り下げた理由は、明らかにしていない。
米兵は2017年1月まで約2年間、横須賀海軍病院に勤務し、異動で帰国。
2019年4月に除隊した。
弁護士によると、女性が暴行を受けたのは基地にある兵舎内で、米兵は公務外だった。
2017年4月、日米地位協定に基づき米国に補償金を請求しようとしたが、窓口となる防衛省から「米側の規定により支給対象にならない」と連絡があった。
防衛省は「個別の事案について回答は差し控える」とした上で、米側の規定で対象外となることについても「支払うか否かは米側の判断によるので、一概に回答できない」としている。
* * * * *
*日米行政協定 (現在の日米地位協定) が規定する米兵、軍属らに対する裁判権をめぐっては、1953年10月28日の日米合同委員会裁判権小委員会の議事録の中で、日本側が「実質的に重要と考えられる事件以外では、第1次裁判権を行使する意図を通常有しない」と述べ、秘密合意において裁判権を放棄したとされる。
日米地位協定では凶悪犯罪を除いて日本側の裁判権は大幅に制限されたが、米兵らが「公務中」 の事件などを除いて日本に第1次裁判権があるとしている。
米側に、米軍人の家族は補償対象にならないとの規定があるという。
弁護士は「地位協定に明文化されておらず、日本で一般に公開されていない規定により補償がないのは受け入れがたい」と述べた。
在日米海軍司令部によると、2016年に神奈川県内の20代女性から通報を受けて海軍当局が捜査。
サンディエゴで2018年9月6日に軍法会議が開かれたが、性的暴行容疑は公判前合意で取り下げられており、米兵は違法薬物使用と傷害の罪を認め、禁錮や降格などの有罪判決が言い渡された。
性的暴行容疑を取り下げた理由は、明らかにしていない。
米兵は2017年1月まで約2年間、横須賀海軍病院に勤務し、異動で帰国。
2019年4月に除隊した。
弁護士によると、女性が暴行を受けたのは基地にある兵舎内で、米兵は公務外だった。
2017年4月、日米地位協定に基づき米国に補償金を請求しようとしたが、窓口となる防衛省から「米側の規定により支給対象にならない」と連絡があった。
防衛省は「個別の事案について回答は差し控える」とした上で、米側の規定で対象外となることについても「支払うか否かは米側の判断によるので、一概に回答できない」としている。
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*日米行政協定 (現在の日米地位協定) が規定する米兵、軍属らに対する裁判権をめぐっては、1953年10月28日の日米合同委員会裁判権小委員会の議事録の中で、日本側が「実質的に重要と考えられる事件以外では、第1次裁判権を行使する意図を通常有しない」と述べ、秘密合意において裁判権を放棄したとされる。
日米地位協定では凶悪犯罪を除いて日本側の裁判権は大幅に制限されたが、米兵らが「公務中」 の事件などを除いて日本に第1次裁判権があるとしている。
(2020年1月1日号掲載)