SD母港の原子力空母、ベトナム寄港
1975年以来43年ぶり、中国を強く牽制
2018年3月6日
CVN 70 / CArl Vinson |
サンディエゴを母港とする原子力空母カール・ビンソンが3月5日、南シナ海に面するベトナム中部ダナンに寄港した。
米海軍によると、米空母のベトナム寄港は1975年のベトナム戦争終結以来、初めて。
南シナ海の領有権をベトナムと争う中国を強く牽 (けん) 制する狙いがある。
ベトナムに展開する米国の軍事力としては戦争終結後で最大規模。
かつて戦火を交えた米国、ベトナムの劇的な関係改善を誇示する思惑もある。
カール・ビンソンはベトナム寄港に先立ち、南シナ海の領有権を中国と争うフィリピンにも寄港。
南シナ海問題への関与継続を強く打ち出した。
米国とベトナムは、岩礁埋め立てや施設建設により南シナ海の軍事拠点化を進める中国への警戒感から、安全保障面での協力を強化し、2016年5月には米国による対ベトナム武器輸出規制の完全解除で合意。
2017年5月にはベトナムの海上警備能力強化のため、米国が巡視艇6隻を引き渡した。
ベトナムと中国は、南シナ海の西沙 (英語名パラセル)、南沙 (同スプラトリー) 両諸島の領有権を争っている。
中国は西沙諸島全域と南沙諸島の一部を実効支配し、南沙では軍事施設などの建設を進めている。
(2018年3月16日号掲載)