ワクチン開発計画 100 件超、WHO リスト

 

ワクチン開発計画 100 件超、WHO リスト

イノヴィオも臨床試験続行中

2020年5月17日

© Ascannio / shutterstock.com
新型コロナウイルスの感染を予防するワクチンの開発が世界中で活発に進められている。

世界保健機関 (WHO) が5月16日までに公表したリストによると、118の計画が進行中で、うち欧米や中国の8剤は人に投与して安全性や有効性を確かめる臨床試験の段階に入った。

トランプ大統領も軍民一体で年内の用意を目指す計画を表明。

ワクチン開発は、一般的にはまずウイルスの感染や増殖をどう防ぐのか検討し、候補となる化合物を選択。

次に動物実験で問題が生じないか検証する。

その後、臨床試験を行い、国の承認を受けて販売される。

WHOのリストによると、米国ではウイルスの遺伝情報を利用する核酸ワクチンの開発が進められている。

バイオテクノロジー会社モデルナが国立アレルギー感染症研究所と共同で3月にRNAワクチン (体内細胞内に抗原タンパク質を作らせて免疫獲得を促す) の臨床試験を開始した。

健康な45人を対象に2回投与して評価する。

食品医薬品局 (FDA) の優先審査の対象に指定され、トップランナーとなっている。

また、サンディエゴのソレントバレーに研究開発センターと創薬施設を有する製薬会社イノヴィオ (本社:ペンシルバニア州) は4月からDNAワクチンの試験を始めた。

DNAワクチンはヒトの細胞の遺伝子に働きかける新しいタイプ。

同社は中国側から得た新型コロナウイルスのDNA塩基配列情報を最新技術で解析し、短時間でワクチン設計の見通しをつけた。

開発/生産に要する時間の大幅短縮が期待されており、年末にも緊急使用に踏み切りたい考え。

開発中のワクチンは動物実験で効果が確認されているが、臨床試験でヒトにも予防効果が認められるかが最大の焦点。

中国では病原性をなくしたウイルスを利用した不活化ワクチンなど4剤の試験が始まっている。

欧州ではドイツのバイオテクノロジー企業ビオンテックと製薬大手ファイザーの共同試験や英オックスフォード大の試験が進められている。

日本国内では国立感染症研究所や東京大医科学研究所、大阪大などの6剤も掲載された。

動物実験の段階に入ったものもあるが、いずれも臨床試験は始まっていない。

東京大医科学研究所の河岡義裕教授は「海外のワクチンが特例承認されたとしても供給量は限られる。

年内の普及は厳しい」とみている。


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(2020年6月1日号掲載)