Tuesday, 08 October 2024

外出制限への抗議相次ぐ、トランプ氏は容認姿勢

サンディエゴでも集会、約200 人参加

2020年4月20日

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新型コロナウイルス感染が拡大する米国の各地で、長引く外出制限や営業規制に反発する抗議活動が相次いでいる。

経済活動の早期再開を目指すトランプ大統領はデモ参加に理解を示し容認する姿勢を見せており「火に油を注ぐ」 (米各紙) 事態を招いている。

米メディアによると、テキサス州の州都オースティンでは4月18日、数百人が集まり「働かせろ」などと声を上げながら、州知事に対して外出禁止令の即時解除を求めた。

全米50州のうち40州以上で外出制限措置が取られる中、経済は停滞し失業者は急増。

背景には長引く規制に高まる住民の不満と焦りがある。

カリフォルニア州ではニューソム知事が3月19日に外出禁止措置を発表し、自粛勧告から法的拘束力のある禁止令になった。

不要不急の外出規制、ソーシャルディスタンシング (外出時は6フィート以上の対人距離を確保)、10人以上の集団行動自制を順守しなければ、最高1,000ドルの罰金または最高6か月の禁固刑になることもある厳しい内容だ。

サンディエゴでは4月18日、1か月を迎える外出禁止令に反発し、経済活動の早期再開を声高に求める抗議集会がダウンタウンで行われた。

集会に参加した約200人の多くは、アメリカ国旗や思い思いのメッセージを綴ったプラカードを掲げ、トランプ氏支持者が「Trump 2020」の帽子を被ってシュプレヒコールを繰り返す姿も見られた。

近くを通行する車からは警笛を鳴らして集会に賛同を示す者もいた。

参加者は経済再開の要求に加え、学校、教会、公園、海岸の封鎖解除を求めている (フォールコナーSD市長は4月20日、人数制限のもとで市営公園の再オープンを決定。

海岸についても4月末までに同様の措置を取る意向を示した)。

COVID-19はインフルエンザに似た急性感染症で、SD郡を含むCA州内の陽性率と致死率は低く、過度の行動規制による弊害こそが深刻な問題だと主張する。

SDの抗議集会では参加者の多くが最低6フィートの対人距離を取らず、マスクも着用していなかった。

明らかに規則違反ながら、SD市警察とSD郡保安局は取り締まりに乗り出さなかった。

後日、市警と郡保安局は共同声明を発表し、公衆衛生の維持を目的とする法規とアメリカ合衆国憲法修正第1条 (表現の自由、集会の権利などを保障) との “デリケートなバランス” が存在しているため、静観の立場を取ったと説明している。

経済再開に前のめりなトランプ氏はデモに同調している。

4月17日にはツイッターに、デモが起きた3州を名指しして「ミシガンを解放しろ」などと投稿し、デモ参加を擁護する姿勢を示した。

トランプ氏が名指しで批判した3州の知事はいずれも野党民主党。

ただ、抗議デモはテキサス州など与党共和党知事の州でも起きており、党派を超えた広がりを見せている。


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(2020年5月1日号掲載)