2021年2月22日
カリフォルニア州公衆衛生局が2月18日に発表した統計によると、州内3大都市 (LA、SD、SF) 別に見た Covid-19 感染の収束指標となる「実効再生産数 (effective reproductive number=Rt)」が、それぞれ1.0を下回った。
実効再生産数は、感染が広がっている状況下で、1人の感染者が次の感染者を生み出す平均人数のこと。
いわば、病原体自体の感染力の強さを示す指標で、1.0を上回れば感染拡大が進行し、1.0を下回る状態を維持できれば、感染率が自然に減衰して収束に向かう。
州当局によると、ロサンゼルス (0.57)、サンディエゴ (0.67)、サンフランシスコ (0.79) の州内3大都市の Rt は1.0未満だった。
仮に、Rt が 0.5まで好転すると、2人から1人に感染する計算になる。
その状態を維持すれば、次は4人から1人に、その次は8人から1人に感染が抑えられ、新型コロナパンデミックの収束が期待できる。
昨年末から始まったワクチン接種が浸透しつつあり、集団免疫への効果が期待される中でも、従来通りに手洗いを励行し、マスク着用を怠らず、ソーシャルディスタンシングを厳守しなければならない。
実効再生産数は簡単に上昇する危険性があるので油断は禁物。
さらに、CA州では「地元由来」の変異種 (B.1.427/B1.429 または CAL2.0C) が急拡大しており、既存種と比べてより悪性で、重症化した場合に11倍強の致死率を持つと言われている。
感染状況が反転する恐れも指摘されているので要警戒だ。
(2021年3月16日号掲載)