Thursday, 26 December 2024

SD市、来年の最低賃金$16.30 1月1日より、条例施行7年目

2022年10月15日

2023年1月1日付けで、サンディエゴ市の最低賃金が時給15 ドル (約2,250円) から16.30ドル (約2,450 円) に引き上げられる。

市内で1週以上の期間に2時間を超える労働を提供する全雇用者が対象となる。

従業員は引き続き、病気休暇を取得して自分の医療や家族の看護に充てることができる。

また、チップや謝礼は最低賃金の支払いには含まれない。


サンディエゴ市の最低賃金アップは、2016年6月の住民投票で「病気休暇と時給引き上げ条例案」が可決された結果を受け、市議会が承認し、2017年から毎年、時給を引き上げる措置が取られている。


6年前の市議会議員時代に条例案を起草したトッドグロリア市長は、声明で「物価高騰が進み、生活費が上昇する中、この時期の引き上げは労働者や勤労世帯にとって、これ以上ないほど必要なタイミング」と話す。


最低賃上げ義務化の意義は、サンディエゴ市内の労働者と家族が生活できる所得を確保することにある。

最低十分な賃金が支払われないと、ホームレスシェルターなど、税金で賄われるサービスの需要を増長させ、コミュニティーや納税者の過重なコスト負担増となり、市民全体を苦しめる結果になる――というのが条例の趣旨であり、市長は正当性を主張する。


賃上げで深刻な打撃を受けるのは、レストラン、高齢者センター、非営利団体など最低賃金の労働力に依存する業界だと指摘するエコノミストも。

飲食業界は従業者を集めるのに財政面で苦労しており、ファストフード店では人件費が経費の30%~35%を占めているという。


今年初めにSD都市圏のインフレ率は40年ぶりの高水準となる7.9%を記録。

労働市場は依然として逼迫 (ひっぱく) しており、8月の失業率3.4%に及んでいる。

(2022年11月1日号掲載)