9/30/2023
サンディエゴ郡保健福祉課は9月20日、今年初となる、西ナイルウイルスを保有する蚊の存在を確認した。
デルマーとサンディエゴの2市に隣接するロスペニャスキトス・ラグーン (潟湖) の北端で採取された蚊が、西ナイルウイルスの陽性と判断。
住民の感染例は報告されていないが、この結果を受け、SD郡当局は蚊から身を守るよう一般市民に注意を促している。
例年、蚊の繁殖期を迎える初夏に西ナイル熱やジカ熱の感染症例が多く報告されるが、今年はまだ感染のピークに到っていない。
流行度が低い予兆も窺 (うかが) われるが、SD郡の生態学者クリス・コンラン氏は「遅い時期に、西ナイル熱やジカ熱のケースが増加していく可能性もある」として、万全の感染対策を講じるよう呼びかけた。
西ナイルウイルスは蚊から感染した鳥を経由して人間に伝染する可能性がある。
主媒介はアカイエカ。
人にも動物にも感染し、約20%に発熱や頭痛など風邪に似た症状が出る。
発症しても患者の多くは数日~1週間で回復する。
致死率は1%未満と低いが、50歳以上の中高齢者や基礎疾患者は、重篤な症状を引き起こす恐れがあるので注意を要する。
ジカ熱はヤブ蚊が媒介するジカウイルスによる感染症。
3~12日の潜伏期を経て軽い発熱や頭痛、関節痛などが起きるが2~7日程度で治まる。
中南米諸国で感染者が多く、米国内の感染者の大多数が流行地域への旅行経験者。
知的障害を伴う新生児の「小頭症」の原因として、妊婦のジカ熱感染と関係があると言われている。
郡当局は日常の防衛手段として、外出時の長袖・長ズボン着用、虫除けスプレー使用、ボウフラの生息拠点 (庭先の水溜まりなど) の根絶などが望まれる。