壁の試作品、ティファナ側で見学ツアー
「税金の無駄」 「環境悪化」 など非難の声
2018年3月14日
ティファナの米国 — メキシコ国境地点で3月12日まで、不法移民対策の強化を掲げるトランプ政権が建設を目指す壁の試作品を見学するツアーが行われ、全米各地から20人以上が集まった。
ツアー参加者らからは「税金の無駄遣いだ」「馬鹿げている」と非難の声が相次いだ。
ティファナとサンディエゴとの国境には、現在2メートル程度のフェンスが設置されており、メキシコ側から見るとフェンスのすぐ向こう側に試作品が並んで立っている。
試作品はデザインや素材の違いから計8種類あり、それぞれ約9メートルの高さ。
米国 — メキシコ国境は全長約3,200キロに達し、うち約1,000キロにわたってフェンスが設けられている。
トランプ政権は不法移民や麻薬の流入阻止のため、壁の新設や増強を検討している。
ツアーの参加者らは、錆び付いたフェンスによじ登ったり、フェンスの穴越しに米国側をのぞき込んだりしていた。
コロラド州から参加した男性は「環境への悪影響も計り知れない」と懸念を示した。
「中国の万里の長城と考え方が似ているが、ずっと悪趣味だ」との声も聞かれた。
(2018年4月1日号掲載)