ウーバー、ドローンで料理宅配へ
マクドナルドと提携、サンディエゴで実験始動
2019年7月1日
米配車大手ウーバーテクノロジーズは6月、事前に登録した人が空き時間を使って飲食店の料理を家庭やオフィスに届けるサービス「ウーバーイーツ」で、小型無人機「ドローン」を活用する実験をサンディエゴの市街地で始めると発表した。
ウーバーイーツは、利用者がスマートフォンのアプリで加盟飲食店に注文すると、事前に登録した配達員が車や自転車で料理を届ける仕組み。
今回の実験では、注文を受けた飲食店がドローンに料理を積み込むと、ドローンが決められた着陸地点まで料理を輸送し、近くの配達員がその料理を受け取って利用者に届ける。
ウーバーは1年以上前から料理宅配ビジネスへの参入を計画。
時期については明言していなかったが、温暖な気候に恵まれたサンディエゴを実験都市に選び、マクドナルド社と提携して今年の夏に実施することになった。
ブルームバーグの報道では、配送実験には従来のドローン機が使用されるが、同社の飛行技術開発部門「ウーバーエレベート」は将来的に空輸力が格段にアップするドローン “特製機” を投じる予定だという。
サンディエゴの「第1実験区」はサンディエゴ州立大学 (SDSU) 界隈。
その後、市内の複数地区に実験エリアを拡大していく。
ドローン活用により、料理宅配利用者の待ち時間は大幅に短縮される。
例えば、1.5マイル (約2.4キロ) の路上配達に要する時間は平均21分だが、ドローン経由だと約7分で届く。
料金は現行のウーバーイーツに準じて最高$8.50に抑えたい意向だ。
また、ウーバーエレベートは現在のドローンを改良し、今年後半には最高時速70マイルでの飛行を可能にするという。
ウーバーのドローンによる料理宅配ビジネスは連邦航空局 (FAA) の認可を得て本格化される。
昨年、FAAは全米から10都市を選び、その中からサンディエゴでの実験実施にゴーサインを出した。
サンディエゴで肯定的な実験結果が得られれば、複数の大都市圏でデリバリーサービスが開始される見通しだ。
ウーバーエレベートは、ドローン使用による料理宅配サービスがファストフード界に革命をもたらすと自信を深めている。
(2019年7月16日号掲載)