2023年7月24日
今年のサンディエゴ・コミコンは7月21日から3日間開催され、無事閉幕したが、例年と比べると、幾分異なる風景を描いていた。
会場のコンベンションセンターに集まった大勢のコスプレーヤー、パネルディスカッションの行列を作る人々、限定商品を求めて並ぶ参加者たち、そして何より、彼らが愛するコミックブックに夢中になる様子はこれまでと変わりなかったが、一つだけ違和感があった。それは映画/アニメ業界のスターたちの不在。
全米映画俳優組合 (SAG) と米テレビ・ラジオアーティスト連盟 (AFTRA) のストライキが続いているため、今年のコミコンは静寂が漂っていた。
この大型人気イベントは来年までSD開催が決定している。
2019年7月に主催者とSD市の間で2021年から3年延長の合意が交わされた。
SD開催延長の合意に至った最大要因はSDコンベンションセンター使用料の大幅ディスカウント。
昨年のコミコンでは通常レートの約32万ドルから約17万5,000ドルに減額された。
ホテル宿泊料金の抑制措置も開催年延長の実現に奏功した。
しかし、コミコン主催者とサンディエゴ市との契約が終了する2024年以降を見据えて、ロサンゼルス市とアナハイム市 (オレンジ郡) が積極的な誘致運動を展開しており、SDの延長再契約が実現できるかは不透明だ。
13万人以上が押し寄せる世界最大のポップカルチャー祭典がSDを去ることになれば、約1億6,000万ドル (約227億円) の経済的損失をもたらすとの試算もある。
契約更新の発表は、来年の大会前に行われる可能性が高い。
*写真はSD・コンベンション・センター前のコミコン参加者。開催会場には何十万人もの来場者が訪れ、お気に入りの映画、ゲーム、テレビ番組、アニメ、コミックのコスプレを楽しむ人も多い
*Picture: © alancrosthwaite / shutterstock.com
(2023年8月16日号掲載)