Thursday, 21 November 2024

新型コロナウイルスによる急性脳症、子供4人死亡、回復6割 緩和後も感染心配、日本の学生「無気力」3割超

2023年4月1日

新型コロナウイルス感染症にかかり、急性脳症を起こした子供について、日本の厚生労働省が3月末までに全国調査の結果を公表した。

研究班の統計によると、調査対象の31人中、61%に当たる19人は回復したが、4人が死亡し、8人に後遺症が確認された。

8人のうち、5人は意識がなかったり、寝たきりで介助を要するなど、重い症状が残っていた。


研究班代表の高梨潤一・東京女子医大八千代医療センター教授 (小児神経学) は「発熱に伴う痙攣 (けいれん) が10分以上止まらない、意識の回復が悪い、行動が普通と違うと感じる時には救急車を呼ぶなどして、すぐに受診してほしい」と話している。


東京女子医大や東京都医学総合研究所などの研究班は、2020年1月から2022年5月までに新型コロナに感染した18歳未満の急性脳症の症例を調査した。

急性脳症の原因となる基礎疾患がない患者は31人だった。


初期症状としては、約半数に痙攣があったほか、意識障害や異常な言動がみられた。

オミクロン株が感染拡大してから発症した例が多いが、発症割合はその前と変わらないという。


子供の急性脳症はインフルエンザでも起きることが知られている。


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外出が増えた日本の高校生の55.8%、大学生・大学院生の41.2%は新型コロナウイルス対策の行動制限緩和後に感染を心配していた――。

こうした調査結果を、日本赤十字社 (日赤) が3月24日までに発表した。

長引くコロナ禍によるストレスが積み重なり、心の状態が「無気力」と回答した人も30%を上回った。


2月にインターネットを通じて調査。

緊急事態宣言解除後の2021年10月から2022年12月までの状況を高校生、大学生、大学院生に尋ね、計200人が回答した。


友人らと対面で会う機会や外出などが増えたと答えた学生には、ストレスと感じる事柄を尋ねた。

高校生、大学生・大学院生ともに「行動に制限が少なくなっているが、感染への不安は残っている」が最多だった。


自宅学習の便利さや気軽さが分かって登校が億劫 (おっくう) になったり、マスクを外す機会が増えて身だしなみに気を使うことにストレスを感じたりする人も目立った。


200人全員に心の変化を聞くと高校生の39.0%、大学生・大学院生の34.0%が「何もしたくなくなる無気力」と回答。

1人でいるのが不安」「涙が止まらなくなる」という人が、高校生、大学生・大学院生ともに20%台を占めた。

主な理由として「生活に充実感を感じられない」「以前の生活に戻れるとは思えない」などが挙がった。


将来をめぐり「受験や就職活動で苦労」「対人コミュニケーションスキルが身に付かない」などの心配が見られた。



(2023年4月16日号掲載)