2021年1月21日
バイデン大統領は就任初日の1月20日、トランプ前大統領の看板政策を次々と覆し、4年間の「米国第一」主義から決別する姿勢を鮮明にした。
新型コロナウイルス対策のマスク義務化、国境の壁建設中止など政策を大転換する大統領令など17の文書に署名した。
女性初の副大統領に就任したハリス氏は多くの課題に直面しながらも「立ち上がり、克服するという信念が揺らぐことはない」と就任式関連のイベントで決意表明した。
署名した文書にはイスラム圏からの入国規制措置撤廃や世界保健機関 (WHO) 脱退手続き中止、地球温暖化対策の国際枠組み「パリ協定」への復帰が含まれる。
トランプ氏が鳴り物入りで導入し、激しい対立と分断を招いた政策を全否定。
矢継ぎ早に政策転換する姿勢を示し、バイデン時代の到来を国民に印象付けたい思惑ものぞかせた。
国土安全保障省は20日、一部不法移民の国外退去を1月22日から100日間凍結すると発表した。
厳格な不法移民対策はトランプ氏が推し進めたが、幼い子どもが親と離れ離れになるなど非人道的な対応に批判も強かった。
バイデン氏は20日、東武時間午前8時半ごろから午後10時すぎまで活動。
首都ワシントンでカトリック教会のミサや就任式、パレードなどをこなし、近郊のアーリントン墓地では無名戦士の墓に献花。
ホワイトハウスでの執務も始め、1日中テレビ画面を独占した。
就任式の際に全米で極右の暴動などが起きることが懸念されたが、厳重な警備が敷かれる中、大きな混乱はなかった。
バイデン氏が就任式前に「今日は米国の新たな日だ」とツイッターで宣言した通り、トランプ氏の存在感は急速にしぼんだ。
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(2021年2月1日号掲載)