Friday, 22 November 2024

上院ジョージア決選投票、民主候補勝利 51議席目獲得、トランプ氏求心力に影響

2022年12月7日

南部ジョージア州で12月6日、上院選決選投票と開票が行われた。

民主党ラファエルウォーノック氏 (53) と共和党のハーシェル・ウォーカー氏 (60) が接戦を展開。

ABC-TVは同日、ウォーノック氏が当選を確実にしたと報じた。


11月8日の中間選挙で民主党は上院 (定数100) で改選前と同じ50議席を確保。

ジョージアで勝利して51議席目を獲得したことから、人事や法案を扱う各委員会でも多数派を占め、円滑に審議を進められる。


ジョージア州は勝敗が決まらなかった上院最後の議席をめぐり、野党共和党のトランプ前大統領が推薦した新人が与党民主党の現職に挑む構図となっていた。

現職民主党が議席を守ったことから、2024年大統領選に出馬表明したトランプ氏の求心力にマイナスの影響を及ぼすのは必至。

既に上院多数派維持を決めたバイデン大統領の民主党は議会運営の安定に向けて議席積み増しを実現した。


選挙戦は11月の投票ではウォーノック氏がわずかに上回ったものの、得票率が50%を超えずジョージア州法の規定で決選投票に持ち込まれた。

最近の世論調査でもウォーノック氏が2~4ポイントリードしていた。


敗れたウォーカー氏はアメリカンフットボールの元スター選手で、知名度抜群だが、人工妊娠中絶反対を主張しながら元交際相手に中絶させていた疑惑など、相次いで醜聞が発覚。

中間選挙ではトランプ氏の推薦候補が重要州で次々と敗北しており、もともと共和党地盤のジョージア州でウォーカー氏が敗れれば責任論がさらに高まると言われていた。


トランプ氏は現地ジョージア州入りの予定はなかった。

同氏は、2021年にジョージア州で実施された上院2議席の決選投票で「2020年大統領選は不正だった」と繰り返して共和党を分断、2議席とも民主党に奪われた。

共和党内に残るしこりを踏まえ、ウォーカー陣営と「応援に入るのは得策ではない」と合意していた。


支持率低迷にあえぐバイデン氏もトランプ氏と同様、同州入りはせず資金集めなど側面支援に徹した。

代わりに人気の高いオバマ元大統領が応援に駆けつけ、票の掘り起こしを図っていた。


バイデン氏は勝利したワーノック氏に祝福の電話をしたことをツイッターで明らかにし、ジョージアの有権者は民主主義を守る賢明な判断を示したとコメント。

さらに、有権者がトランプ氏による極端な主張を拒否したと投稿した。

(2022年12月16日号掲載)