10/10/2023
米大リーグで日本選手初の本塁打王に輝いたエンゼルスの大谷翔平(29)は、怪力自慢がそろう最高峰の舞台でもパワーにこだわってきた。
肉体を屈強に鍛え、今季の本塁打の平均飛距離は約129メートルとメジャーでトップレベル。
マリナーズ時代に首位打者を2度獲得したイチローさんら技巧派の印象が強かった日本人打者像を覆した。
2021年に大谷が46号を放つまで、日本人野手は「野球の華」と言われる本塁打のタイトル争いに絡めなかった。
シーズン最多はヤンキース時代の04年に松井秀喜 (まつい・ひでき) 氏が打った31本で、トップとは12本差だった。
松井さんは「自分たちがやっていた時代にはあり得ない。
想像できないぐらいスゴいことをしている」と強調する。
ただ、投打「二刀流」で常識に挑戦してきた大谷に先入観はなかった。
日本時代からウエートトレーニングに熱心に励むなど技術以上にフィジカル重視の姿勢がうかがえ、ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)日本代表で一緒にプレーしたプロ野球ヤクルトの村上宗隆 (むらかみ・むねたか) も「パワーで勝負したいという話をしていた」と明かす。
培った筋力は大リーガーも驚くほどだ。
WBCで大谷が試合後にスクワットをする姿を見たラーズ・ヌートバー(カージナルス)は「500ポンド(約227キロ)の重量を挙げていた。
今まで見た中で一番スゴかった」と仰天。
屋外でのフリー打撃はもはやショーで、外野スタンドの中段まで軽々と打ち込む姿は見る者の度肝を抜いた。
日本人野手のメジャー挑戦から23年。
また歴史に名を刻んだ大谷に、米放送局FOXスポーツのアナリスト、ベン・バーランダーさんは「彼はあらゆる人の(野球に対する)見方を変えた」と称賛した。
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