体外受精で子犬誕生に成功、世界初
米国研究チーム、希少種繁殖に期待
2015年12月10日コーネル大とスミソニアン協会の研究チームが、体外受精で子犬を誕生させることに初めて成功したと発表した。
オンライン科学誌プロスワン「PLoS ONE」が12月9日、研究結果を掲載した。
希少な犬種の繁殖に期待がかかるほか、犬の遺伝性の病気の研究にも応用が可能。
犬と人は遺伝性疾患に共通点が多いことから、人の医療にも役立つ道が開けそうだ。
スミソニアン協会のウェブサイトなどによると、体外受精によって7月に7匹の子犬が生まれた。
犬種はビーグル5匹と、ビーグルとコッカースパニエルの交雑種2匹。
人の体外受精は1978年に英国の研究者が成功し、不妊治療を大きく変えた。
しかし、犬の体外受精は排卵が年に1〜2回と少なく、受精可能期間にも制限があることからこれまで成功例がなかった。
研究チームは、マグネシウムを含む溶液の利用によって犬の精子が卵子と結合する働きを高めた。
犬は排卵の周期が人と大きく異なることに着目、採卵のタイミングを工夫することで体外受精を成功に導いた。
*写真はイメージ
(2016年1月1日号掲載)