大統領とバイデン氏火花
選挙にらみ非難合戦
2019年6月19日
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トランプ大統領とバイデン前副大統領は6月11日、中西部アイオワ州に入り、別々の場所で演説し互いに非難し合った。
来年の大統領選の党候補指名争いは始まったばかりだが、共和、民主両党の候補に最有力視される2人は激しく火花を散らした。
11日発表のキニピアック大の世論調査によると、両氏のどちらを支持するか質問した調査ではトランプ氏が40%、バイデン氏が53%と差がついた。
13ポイントも下回ったトランプ氏は危機感を高めているとみられ、バイデン氏への攻撃を強めている。
アイオワ入りしたトランプ氏はエネルギー政策について演説した際、米中摩擦の原因である貿易不均衡は「オバマ (前大統領) とバイデンがもたらした」と非難。
「彼は今日、アイオワのどこかにいる。私の名前を何度も呼び、支持しないよう訴えている」と述べ、「寝ぼけたやつだ」とこき下ろした。
一方、バイデン氏は選挙集会で、トランプ氏が米中貿易摩擦で、アイオワの農家に打撃を与えるなどして「米国の労働者を (通商紛争の) ゲームの駒のように扱っている」と批判。
トランプ氏を「国家にとっての脅威」と酷評した。
バイデン氏はまた、トランプ氏が 「(北朝鮮の朝鮮労働党委員長) 金正恩 (キム・ジョンウン) のような独裁者をほめている」とけなし、「2人は一つのことで同意している。バイデンを大統領にしないことだ」と皮肉った。
北朝鮮は最近、バイデン氏が金氏を「独裁者」と言及したことをめぐりバイデン氏を非難している。
トランプ氏は18日、南部フロリダ州オーランドでの支持者集会で演説し、2020年の大統領選に関し 「再選に向けた選挙運動を正式に始める」と表明した。
経済が「歴史上最も好調」だとして、好景気を引き合いに「米国は新たな高みに向かっている」と実績を誇示。
対立する民主党と政権の座を激しく争う約1年半の選挙戦が事実上始まった。
(2019年7月1日号掲載)