Wednesday, 06 November 2024

トランプ氏推奨薬に疑問符

死亡率高いと研究論文

2020年4月21日

新型コロナウイルス感染症の治療に有望だとトランプ氏が訴えてきた抗マラリア薬を感染者らに投与した結果、投与しないグループより死亡率が高かったとする論文を、バージニア大などの研究チームが4月21日、医療専門サイトに投稿した。

効果や安全性に疑問符が付いた形で、データを伴わずに推奨したトランプ氏の姿勢に改めて批判が出そうだ。

この薬はヒドロキシクロロキン。

長年マラリアの治療などに使われ、トランプ氏はこれまで「試してみればいい。効かなくても失うものはない」と執着してきた。

しかし、米国立衛生研究所 (NIH) は21日に公表した医師向けの治療指針で、データが不十分なため投与を推奨も反対もできないと評価。

抗生物質アジスロマイシンとの併用は毒性となる可能性があり勧めないと明記した。

研究チームの論文によると、ヒドロキシクロロキンを投与した97人の死亡率は約28%で、投与せず通常の治療をした158人の約11%より高かった。

人工呼吸器使用に至るリスクが低下するとの証拠も得られなかった。


•新型コロナウイルス関連の最新情報は随時発信している 『ゆうゆうニュースレター』 をご覧ください。


(2020年5月1日号掲載)