2023年6月20日
1912年に沈没した英豪華客船タイタニック号の残骸を海中に見に行く観光ツアーの潜水艇が6月18日、カナダ東部沖の北大西洋で行方不明になった。
米国とカナダの当局は19日、航空機などで捜索。
当局によると、潜水艇には操縦士を含む5人が乗っており、内部の酸素は最大96時間分という。
ツアー会社は海底探査などを企画する米国のオーシャンゲート・エクスペディションズ社 (本社:ワシントン州エベレット市)。
米沿岸警備隊によると、18日朝に潜水して、約1時間45分後に洋上の母船と連絡が取れなくなった。
英BBCによると、乗員のうち1人は英国人実業家だという。
パキスタンのメディアは、同国有数の財閥一族の親子2人も搭乗していたと伝えた。
ツアーは1人当たり25万ドル (約3,500万円) で、カナダ東部ニューファンドランド島のセントジョンズから南へ約700キロの海底約3,800メートルにあるタイタニック号の残骸を見る予定だった。
沿岸警備隊の幹部は19日の記者会見で、輸送機のレーダーや対潜哨戒機の水中音波探知機 (ソナー) で捜索していると説明したが、「遠く離れた海域での捜索で困難になる」と述べた。
ツアーを企画した会社は当局の捜索活動に謝意を示し「無事に帰還できるよう取り組んでいく」との声明を発表した。
*タイタニック号は1912年4月、英南部からニューヨークに向かう初航海の途中、大西洋のニューファンドランド島沖で氷山に衝突して沈没。
乗客乗員約2,200人のうち約1,500人が犠牲となった。
*イラストはイメージ
(2023年7月1日号掲載)