Monday, 07 October 2024

米経済対策1〜2兆ドル検討

家計に現金給付、業界支援

2020年3月19日

トランプ政権は3月17日、新型コロナウイルス感染症による悪影響を防ぐために1〜2兆ドル (約119兆円〜約221兆円) の経済対策を検討していることを明らかにした。

家計に対する現金給付を盛り込む方向。

巨額の財政出動で消費低迷を回避し、不振にあえぐ航空会社やホテル業界も支援する。

実現には議会の承認が必要となる。欧州各国も取り組みを本格化させた。

ムニューシン財務長官は同日の記者会見で、労働者の無給休暇による消費落ち込みを警戒し「米国民は現金を必要としている」と強調。

富裕層を除き、早急に小切手を送りたいと説明した。

航空業界には「米中枢同時テロの時より、ひどい状況だ」と懸念を示した。

対策規模は金融危機後の2009年2月にオバマ政権がまとめた8000億ドルを上回る。

11月に迫る大統領選への危機感も反映しているとみられ、トランプ大統領は「かつてないほど力強く回復するため、積極的に行動する」と述べ、早期承認を議会に促した。

米メディアによると、現金給付に加え、移動制限が直撃する航空会社の支援に500億ドル、中小企業融資に2500億ドルを充てる方針。

社会保障関連の財源で、労使双方が払う給与税の年内免除にも意欲を示している。

資金繰りに懸念が出ている航空機大手ボーイングの支援も表明した。

ムニューシン氏は米議会の与野党指導部と対策内容を詰める。ただ、給与税免除は失業者には効果がないため、野党民主党は慎重な姿勢だ。

欧州各国も独自策を打ち出した。英政府は17日、資金繰りに苦しむ企業のために融資保証枠を設置すると発表した。

欧州連合 (EU) は約370億ユーロ (約4兆4000億円) を投じ、中小企業支援や雇用対策を実施。

感染の広がりが深刻なイタリアは独自に250億ユーロ規模の対策を展開。住宅ローンの返済猶予を認め、共働き家庭にベビーシッター代を補助する。


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(2020年4月1日号掲載)