Thursday, 28 March 2024

アジア系差別拡大、日系人も被害

トランプ氏が助長と批判

2020年7月20日


新型コロナウイルスの感染が広がる中で、アジア出身者やアジア系住民への差別的な言動が一段と広がっている。

日本人や日系社会が標的となる事件も起きており、感染拡大をめぐり、中国への非難を繰り返すトランプ大統領の姿勢が事態に拍車を掛けているとの批判が上がっている。

ロサンゼルスの総領事館によると、日系人が多く住むロサンゼルス近郊トーランスでは7月13日に日本食レストランの窓が投石で割られ、翌14日には店関係者がナイフを持った人物に追いかけられる事案が発生した。

トーランスでは6月にも日本人経営の店舗に「日本に帰れ」などと書かれた脅迫文が貼られる事件が起きた。

アジア系住民らでつくる「アジア太平洋政策計画協議会」によると3月中旬以降、今月初めまでに寄せられた差別や嫌がらせの報告は2,000件超

白人女性から「汚い病気を連れて中国に帰れ」 とののしられたり、ガラス瓶を投げ付けられ暴言を吐かれたりしたとの被害申告が相次いでいる。

トランプ氏は新型コロナを「中国ウイルス」 と呼ぶなど中国への非難、揶揄 (やゆ) を繰り返しており、その姿勢が差別を助長しているとの批判は根強い。

CA州議会のムラツチ下院議員 (民主) は「人種差別主義者が隠れた場所から出てきてアジア系住民への攻撃を始めることに、大統領が青信号を出しているかのようだ」と非難した。



(2020年8月1日号掲載)