Thursday, 21 November 2024

モデルナ、初期治験で高レベル抗体

 

米国の新型コロナワクチン開発をリード

2020年7月15日


米国の新型コロナワクチン開発をリードする創薬ベンチャーのモデルナ (本社:マサチューセッツ州) は7月14日、フェーズ2 (第2段階) の臨床試験で、成人ボランティア45人に治験を続けてきた結果、参加者全員の血流の中にウイルスに対する平均以上の中和抗体が確認できたと発表した。

これは、COVID-19感染者で重篤に至らなかった患者が持つと思われる微分子で、最終段階で安全性が認められればパンデミック収束への足掛かりとなりそうだ。

モデルナによると、治験者の一部には倦怠感、頭痛、悪寒 (寒気)、発熱、注射箇所の痛みがみられたが、他のワクチン接種時にも同様の反応が出ることから、とりわけ重篤な副作用ではないとしている。

今回の治験は18歳〜55歳の健康な男女45人を3グループに分離し、異なる服用量で2回に分けてワクチン候補 (mRNA-1273) を投与したところ、全員から高レベルの抗体が認められた

今回の結果は New England Journal of Medicine (NEJM=電子版) にも掲載されている。

モデルナは米国立衛生研究所 (NIH) と協力して後期フェーズへ進む。

7月27日より3万人に拡大される臨床試験では新型コロナの猛威を抑制するパワーを再確認する構えだ。

今後は高齢者、基礎疾患者、ヒスパニック/ラテン系など、感染率の高い人々に治験を広げていく。

NIHの医師/免疫学者でトランプ政権「コロナウイルス対策本部」の主要メンバーでもあるアンソニー・ファウチ博士は、モデルナの発表について「初期治験の途中結果とはいえ、朗報に違いない」と期待を示した (AP通信)。

7月15日現在、新型コロナワクチンの臨床試験を実施している企業/研究グループは世界で20件を超える。

フェーズ3 (最終ステージ) に進んでいる国は中国と英国。

米国ではモデルナが先頭を切ってフェーズ2後半のステージにあり、サンディエゴに研究/創薬センターを持つイノヴィオがそれに続いている


(2020年8月1日号掲載)