2023年5月20日
マイクロソフト (MS) は先月、対話型人工知能 (AI) を搭載した検索エンジン「Bing (ビング)」とウェブ閲覧ソフト「Edge (エッジ)」を一般公開し、簡単にすぐ利用できるようにしたと発表した。対話履歴の保存など機能も強化する。
チャットGPTが話題の米新興企業オープンAIの技術を活用する。
検索エンジンの市場はグーグルが大半を占めており、MSは対話型AIを武器に切り崩しを目指す。
グーグルも対抗して対話型AI「Bard (バード)」を発表し、検索への追加も予定している。
ニューヨーク市で開いた催しで発表した。
これまではビングの対話型AIを利用するには順番待ちリストに参加して承認を得る必要があったが、この手続きを撤廃した。
MSによると、2月の公開以降の3か月間で5億回以上の対話が行われたという。
機能強化は、対話履歴を保存して続きから再開できるようにするほか、対話を交流サイト (SNS) などで共有する機能も追加する予定だ。
一部で導入していた画像や映像による回答機能も拡充し、文章の要約の性能も向上させる。
MSとグーグル2社の競争が激化しそうだ。
AIの進化に対する危機感も表明されている。
金沢市で開かれた先進7か国 (G7) 教育相会合は5月14日、チャットGPTなど、生成AIの活用は学習面に好機をもたらす一方、弊害も考えられるとして「継続的に課題を把握し、リスクを軽減する重要性を認識する」との文言を盛り込んだ共同宣言を採択した。
生成AIを含めたデジタル技術の進展は「学習や指導に好機をもたらすと同時に、教育システムに課題を提示している」との見解を表明。
プラスとマイナスの影響を認識し、課題を継続的に把握していくことに同意している。
(2023年6月16日号掲載)