2023年1月8日
米食品医薬品局 (FDA) によるアルツハイマー病治療の新薬「レカネマブ」承認を受け、開発したエーザイ (本社:東京都文京区) が1月7日、東京都内の本社で記者会見を開いた。
日本での承認申請の見通しについて内藤晴夫最高経営責任者 (CEO) は「一日でも早くがキーワードだ」と述べ、3月までにとしている時期の前倒しに意欲を示した。
年内の承認を目指す。
今回の米国での承認は迅速承認制度が適用されており、移行が必要な本承認を申請したことも明らかにした。
レカネマブは米バイオジェン (本社:マサチューセッツ州ケンブリッジ) との共同開発。
脳に蓄積して神経細胞を壊し、アルツハイマー病を引き起こすとされるタンパク質「アミロイドβ (ベータ)」に付着して除去する新しいタイプの薬となる。
体重に応じた量を2週間に1回、点滴した臨床試験では、1年半後に症状の悪化を偽薬投与群と比べ27%抑制する効果が確認された。
内藤氏は「FDAで有効性と安全性は十分評価されている」と強調した。
米国での標準的な価格は、患者の経済的負担の軽減などを考慮して年26,500ドル (約350万円) に設定したと説明。
将来、国内で承認される場合を想定し「日本発のイノベーション (技術革新) なので、日本社会にも大きなインパクトがある」とアピールしたが、価格については「日本の算定制度の下で、規制当局や行政としっかり話をしていく」と述べるにとどめた。
(2023年2月1日号掲載)