2023年5月25日
米人気歌手で「ロックの女王」と呼ばれたティナ・ターナーさんが、スイス北部チューリヒ近郊の自宅で死去した。
83歳だった。
AP通信は5月23日に死去と伝えたが、ニューヨーク・タイムズ紙などは24日に亡くなったと報じた。
長期にわたる闘病生活を送っていたという。
代表曲は “What's Love Got to Do with It” (邦題:「愛の魔力」) で、特別賞などを含めグラミー賞を12回受賞した。
1939年にテネシー州で生まれ、1960~70年代に当時の夫だったアイク・ターナーさんと人気デュオとして活躍した。
家庭内暴力に苦しみ離婚。
その後、活動は一時停滞したが、ソロに転じて「愛の魔力」が収録された1984年のアルバムで再び脚光を浴びた。
米女性歌手のビヨンセさんやマライア・キャリーさんから尊敬を集めた。
1991年にアイクさんとのデュオ、2021年に個人で「ロックの殿堂」入りを果たした。
1986年には家庭内暴力の詳細などを赤裸々につづった自伝を発表した。
当時、有名人が夫の暴力を告発する例はほとんどなく、大きな反響を呼んだ。
波乱に満ちた半生を描いた映画とミュージカル作品も制作された。
バイデン大統領は「逆境をはねのけ、長年のキャリアと人生を築き、伝説をつくった」とターナーさんを称賛する声明を発表した。
米人気歌手ティナ・ターナーさんの死去を受け、音楽界の著名人らは24日、「多くの人に活力を与えた」とその活躍を振り返り「決して忘れない」などと「ロックの女王」の死を悼んだ。
(2023年6月16日号掲載)