2020年12月4日
大統領選で敗北を認めず法廷闘争を続けるトランプ大統領の陣営は12月3日、共和党全国委員会とともに大統領選後に集めた資金総額が計2億750万ドル (約215億円) に上ったと発表した。裁判では明確な証拠を示せず逆転の見込みはないが、集金力は健在。
しばらくは徹底抗戦の構えを崩さず、退任後の影響力維持につなげる可能性がある。
トランプ氏は2024年大統領選への再出馬を検討しているとされ、来年1月20日のバイデン次期大統領 (民主党) の就任式に出馬表明をぶつけるとの観測も出ている。
バイデン氏は3日、CNNテレビで、トランプ氏の就任式参列に関し「彼がつくり出した混乱を終わらせ、平和的に政権が移行されたことを示す意味で重要だ」と強調。
「競合する党同士が同席し、握手して次に進む」ため「国にとって意義がある」と出席を促した。
一方、トランプ陣営は3日の声明で「素晴らしい資金額は、トランプ氏が共和党の指導者であり力の源泉でもあることを示している」と指摘。
「全米各地で選挙の不正を是正する闘いを継続できる」と述べ、法廷闘争を続ける意向も示した。
ワシントン・ポスト紙によると、トランプ陣営が法廷闘争支援のため支持者に献金を呼びかけたメールは、これまでに500通近くに上る。
ただ、献金の75%はトランプ氏が退任後の政治活動のため設立した資金団体に流れる仕組み。
政治資金を監視する団体からは、支持者は法廷闘争支援のつもりで献金したのに、実際にはトランプ氏が選挙運動で抱えた負債返済などに使われる可能性もあると懸念の声が上がっている。
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(2020年12月4日号掲載)