Thursday, 23 May 2024

ハリス副大統領に逆風 乏しい成果、職員辞任

2021年8月14日

カマラ・ハリス副大統領 (56) が逆風に晒 (さら) されている。

黒人、アジア系、女性として初の副大統領に鳴り物入りで就任したが、乏しい成果に批判が目立つ。

「ひどい扱いを受けた」と訴え辞任したスタッフが相次ぎ「機能不全に陥っている」とも報じられ、足元も揺れている。

歴代副大統領に比べ、ハリス氏への関心は高かった。

バイデン民主党政権が掲げる多様性の象徴的存在で、高齢のバイデン大統領 (78) が2期目を断念すれば後継候補として最も有利な立場のため、共和党には格好の攻撃対象となってきた。
 

特に不法移民対策、共和党が進める非白人を標的にした投票権制限の動きへの対応で評価が低い

いずれも政権の重要課題で、バイデン氏から一任されたが指導力を示せず、不用意な発言で火に油を注ぐ場面もあった。

そんな中、政治サイト、ポリティコはハリス氏のスタッフや政権関係者ら20人以上の証言を基に「不健全な環境」にある周辺の内幕を伝えた。

仕切り役のティナ・フロノイ首席補佐官のパワハラまがいの振る舞いに焦点が当たったが、問題は「トップから生じている」とハリス氏の責任を追及する声もある。

政権発足半年ほどの間に上級職2人を含む複数が離職したという。
 

ハリス氏の擁護者は、黒人女性ということで男性よりも高いハードルを課されていると弁護する。

だが、上院議員時代も事務所に混乱が付きまとっていたとの証言があり「リーダーシップの欠如」との見方も伝えられた。
 

ニュースサイト、アクシオスによると、民主党の女性有力者が7月、ハリス氏の態勢立て直しに向けた方策を話し合う会合を開いており、危機感が広がっている様子を窺 (うかが)わせた。

Picture:© lSMD90 / shutterstock.com


(2021年9月1号掲載)