2023年3月22日
ハッカーやサイバー犯罪者が「チャットGPT」など人工知能 (AI) を用いた対話型ソフトに注目し、匿名性の高い闇サイトで悪用の手口を議論していることが3月21日、セキュリティー企業の「Nord (ノード) VPN」の調べで分かった。闇サイトの関連投稿は今年1月から2月にかけて7倍超に急増し、内容も過激化しているという。
ノードVPNは「対話型ソフトは利用者のプロフィルを把握して保存している。
ハッカーによる対話型ソフト乗っ取りを心配するのであれば、利用者は個人情報を伝えるべきではない」と注意を呼びかけている。
ノードVPNが「ハッカーフォーラム」と呼ばれる、ハッカーの情報交換の場となっている闇サイトを調べたところ、対話型ソフト関連の投稿は今年1月に120件だったが、2月は870件に急増。
このうちチャットGPTについては37件から91件と倍以上に増えた。
巧妙な詐欺メールの文面を作らせ、偽サイトに誘導して個人情報や金銭を騙 (だま) し取る「フィッシング詐欺」に利用したり、コンピュータウイルス作成に悪用したりする話題がやり取りされていた。
投稿内容は1月の時点ではウイルス作成方法などが議論の中心だったが、2月に入るとチャットGPTをサイバー攻撃によって乗っ取り、犯罪や社会の分断を助長する質問に答えるようにしたり、間違った回答を示して社会を混乱させたりする方法に関心が集まっているという。
マイクロソフト (MS) は検索サイト「Bing (ビング)」でチャットGPTに似た機能を使えるようにした。
グーグルやメタ (旧フェイスブック) も対話型ソフトの開発を進めている。
(2023年4月16日号掲載)