Thursday, 28 March 2024

米政権、銀行監視強化へ 連鎖破綻で不安拡大阻止

2023年3月18日

バイデン政権は3月12日、シリコンバレー銀行 (SVB) とシグネチャー銀行 (SBNY) の連鎖破綻を受けて銀行への規制監視を強化する方針を打ち出した。

預金を全額保護し、信用不安の拡大を防ぐ構えだ。

SVBファイナンシャルグループは3月17日、米連邦破産法11条 (日本の民事再生法に相当) の適用を申請したと発表した。

  
市場では米連邦準備制度理事会 (FRB) が景気を冷やす利上げの加速を思い留まるとの見方が急速に広がっている。


バイデン大統領は12日の声明で「再びこのような状況に陥らないよう、大規模な銀行に対する監視と規制を強化する」と強調。

今後の米株式市場で動揺が広がらないよう万全を期す。


銀行への規制をめぐっては、トランプ前政権時代の2018年、厳格な規制の対象となる資本総額を引き上げて緩和した。

今回の破綻との関係は不明だが、SVBも緩和の対象に含まれていた。


SVBの破綻はFRBによる急速な利上げが背景にある。

利上げによって債券価格が下落したことで保有する米国債などに含み損が生じたほか、資金調達に窮した顧客からの預金引き出しが相次いだのが理由。


昨年3月以降、急速に利上げを続けてきたFRBのパウエル議長は破綻直前の7日、利上げペースを加速する可能性に言及。

市場では一時、FRBが3月21、22日の会合で利上げ幅を2月会合の0.25%から0.5%に広げるとの見方が広がった。


しかし、破綻が伝わると一転。

0.25%に据え置くとの見方が9割を超えた。

ただ、物価上昇率は目標の2%を大きく上回る状況が続いており、FRBは難しい判断を迫られる。


*Picture:© CoolR / shutterstock.com



(2023年4月1日号掲載)