4/15/2023
米国が主導し日本も参加する国際有人月探査「アルテミス計画」をめぐり、米航空宇宙局 (NASA) は2024年11月頃に、米国などの飛行士4人が月の上空を周回する見通しを表明している。
探査システム開発責任者ジム・フリー氏がアルテミス計画の進行を説明する記者会見で述べた。
周回飛行の次段階に当たる月面着陸については「(月周回の) 1年後を計画しているが、相当な技術開発が必要だ」とした。
着陸船が無人でのランディング試験を成功させていることや、新たな宇宙服が完成していることが前提となるため。
いずれも米企業が開発中だ。
「このミッションでは、革新的な技術を用いて、これまで以上に月の表面を探索し、初めて女性と非白人系の飛行士を月に送り込む。
米国内外の企業・組織と協力し、月面での長期滞在を実現したい。
月の探査から学んだことを活かし、さらなる飛躍を目指し、火星への有人飛行を成功させる」としている。
NASAは昨年11~12月、飛行士を月の上空まで運ぶ宇宙船オリオンの無人飛行試験を行い、月周辺から地球に帰還する際の高熱に耐えられるかなどを評価している。
アルテミスはギリシャ神話に登場する月の女神で、1969~72年に計12人の宇宙飛行士を月面着陸させた「アポロ計画」の名の由来となった太陽の神アポロンとは双子。
アルテミス計画では、月を周回する宇宙基地を建設し、月面には居住施設や発電設備、探査車などを設置する。
月での経験を踏まえ、2040年頃に人類を火星に送り込む構想もある。
*写真はイメージ
(2023年5月1日号掲載)